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植物のオゾン傷害機構における植物ホルモンのシグナリング(平成 16年度)
Signaling of phytohormones in mechanisms for ozone damage in plant

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0404AF361
開始/終了年度
2004~2004年
キーワード(日本語)
オゾン,エチレン,環境ストレス,ジャスモン酸,シロイヌナズナ
キーワード(英語)
ARABIDOPSIS,ENVIRONMENTAL STRESS,ETHYLENE,JASMONATE,OZONE

研究概要

植物の環境ストレス応答機構のうち、大気汚染ガスのオゾンにより引き起こされる傷害(細胞死)の機構の解明を目的とする。オゾン暴露時に誘導される植物ホルモンの一つであるジャスモン酸に注目し、その作用機構を明らかにすることを目指す。オゾン傷害におけるジャスモン酸の防御的作用が、プログラム細胞死の抑制と直接酸化の防御の双方によるものであることを示せれば、ジャスモン酸の生理作用の機構解明の大きな進展と考えられる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

オゾン暴露により植物体内では活性酸素が生成し、傷害を受けるが、これは1)活性酸素が脂質やタンパク質などの生体物質を直接酸化することにより細胞死に至る、2)活性酸素がシグナルとして働き、エチレンやジャスモン酸等の植物ホルモンを介するプログラム細胞死が引き起こされる、という二つの異なる仕組みによると考えられている。ジャスモン酸は2)のプログラム細胞死の抑制によりオゾン傷害を抑制する働きを持つと考えられてきたが、この詳細な機構を、傷害ホルモンであるエチレンの生成抑制を中心に、突然変異体を用いて解明する。また、ジャスモン酸が抗酸化物質のアスコルビン酸等の生合成系・再生系の遺伝子発現誘導により1)の活性酸素による直接酸化の防御にも働いている可能性についても検証する。

今年度の研究概要

これまでに得られているオゾン感受性シロイヌナズナ突然変異体数系統および野生型を用いて、まず、ジャスモン酸のオゾンによる細胞死を抑制する作用の普遍性を、ジャスモン酸処理をした植物体でのオゾン傷害の現れ方により検証する。次に、それがエチレン生成抑制によるプログラム細胞死の抑制によるものであるか、抗酸化物質の合成や再生の誘導による直接酸化の防止によるものであるかをエチレン生成量・アスコルビン酸含量等の測定や関連遺伝子群の発現を通して調べる。これは、オゾン暴露時間の経過を追って、個々の突然変異系統、生態型ごとに調べる。さらに、ジャスモン酸の二種類の細胞死抑制作用が、どのように使い分けられているかに注目して研究を進めたい。オゾン暴露開始後の時間経過によって交代しているのか、生態型による違いや植物体のストレス状態・年齢による違い、さらに突然変異体ではオゾン感受性となっている原因によりどちらか一方が働かなくなる場合があるのか、などについて調べていこうと考えている。

備考

研究協力者:太田啓之,佐々木結子(東京工業大学)

課題代表者

青野 光子

  • 生物・生態系環境研究センター
    環境ストレス機構研究室
  • 室長
  • 博士(理学)
  • 生物学,生理学,生化学
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