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2018年9月21日

Varying benefits of irrigation expansion for crop production under a changing climate and competitive water use among crops

Masashi Okada, Toshichika Iizumi, Takaaki Sakamoto, Mizuki Kotoku, Gen Sakurai, Yasuaki Hijioka, and Motoki Nishimori

論文情報

Varying benefits of irrigation expansion for crop production under a changing climate and competitive water use among crops
(気候変動及び作物間水利用競合下での作物生産の灌漑拡大による適応効果の評価)

著者:岡田将誌、飯泉仁之直、坂本貴啓、神徳瑞綺、櫻井玄、肱岡靖明、西森基貴

発表年:2018
掲載雑誌:Earth’s Future, 6

論文へのリンク(英文のみ)

キーワード

気候変化、適応、農作物、灌漑、作物モデル、水文モデル

概要

灌漑農地の拡大は作物生産への気候変化影響に対して有効な適応策として考えられています。しかし、気候や土地利用の変化に伴って生じる灌漑水需要や流域水循環の変動を加味した作物生産の適応評価研究はほとんどありません。そこで筆者らが近年開発した、水資源の制約を考慮した世界作物生産性モデルを用い、将来の気候変化及び灌漑農地拡大化における作物生産性の予測を行いました。最も温暖化が進行するシナリオ(RCP8.5)の下において、灌漑農地拡大による増収効果は、欧州でのトウモロコシ生産に対し有効に働く一方で、東アジアでのコメ生産に対しては他の作物との水利用競合により非常に限定的であることを示しました(図1)。さらに、インダス川流域の穀倉地帯では将来、降水減少により作物は減収傾向にありますが、山岳域での降水増加により、灌漑過程を通してその減収分を補償できる可能性を示しました。本成果は、灌漑による気候変動適応策を検討する際に、作物間の水利用競合や降水量の空間パターンの変化を考慮することの重要性を示唆するものです。

図1a varying benefits of irrigation expansion
図1. 今世紀中頃及び今世紀末において、気候のみ変化した場合に予測される収量に対する、気候と灌漑面積の両方が変化した場合に予測される収量との差. (a)はコメ、(b)はトウモロコシ. エラーバー付き棒グラフは5つの異なる気候モデルによる予測の幅(最小値と最大値の幅)及び平均を示す。また、USSRは旧ソ連、MEAは中東・アフリカを指す。

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