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2015年8月24日

ISAP2015に、住理事長らが登壇しました。また、藤田センター長がボゴール市長らと共に、パネルディスカッションを行いました。

1.はじめに

7月28日~29日、Pacifico横浜にて、IGES(*1)とUNU-IAS(*2)主催の国際フォーラムであるInternational Forum for Sustainable Asia and Pacific(ISAP2015)が開催されました。今年のテーマは、『変革へのソリューション:2030年に向けた多様なパートナーとの連携強化』とされ、多様なステークホルダーが集い、気候変動やSDGs(Sustainable Development Goals)を主なテーマとして、シンポジウムやパネルディスカッションが実施されました。
国立環境研究所は、協力機関として参画し、「全体会合:COP21でのより意欲的な合意に向けて:気候変動対策を促すダイナミックサイクルの構築」と「パラレルセッション:測定・報告・検証(MRV)を通じた緩和活動の促進」の2つをはじめとした幾つかのセッションに携わりました。

*1:Institute for Global Environmenetal Strategy:公益財団法人 地球環境戦略研究機関
*2:United Nations Univeristy Institute for the Advanced Study of Sustainability:国連大学サステイナビリティ高等研究所

2.当日の様子

全体会合:
COP21でのより意欲的な合意に向けて:気候変動対策を促すダイナミックサイクルの構築

今年12月にパリで開催予定のCOP21において、よりよい合意形成に導くにはどうしていくべきか、ということについて、パネリストがそれぞれの立場から意見を述べ、議論を行いました。
住理事長もパネリストの一人として登壇し、「細かなところにこだわらなければ、温室効果ガスを出し続ければ(気温は)あがる。残された許容量は少ない。温暖化対策は本当にうまくいくのか?という懸念があるが、それを払しょくするには、サクセスストーリーが必要。」というメッセージと共に、国立環境研究所で取り組んでいる研究の概観について説明しました。また、「場所ごとに解決策は違う。それらを集積していって、自分にできることを考えていく。」と、それぞれの地域・国の持つべき姿勢についても、言及しました。

  • [キーノートスピーカー] ティエリー・ダナ
    駐日フランス大使
  • [フレーミング・プレゼンテーション] 田村 堅太郎
    IGES関西研究センター副所長/気候変動とエネルギー領域エリアリーダー
  • [スピーカー] 田中 伸男
    国際エネルギー機関(IEA)前事務局長/笹川平和財団理事長
  • ビンドゥ・N・ロハニ
    アジア工科大学(AIT)特別名誉教員/横浜市Y-PORTセンター特別アドバイザー/IGES特別顧問
  • チュン・ラエ・クォン
    国連事務総長室気候変動担当上級顧問
  • 住 明正
    国立環境研究所(NIES)理事長
  • [モデレーター] 西岡 秀三
    低炭素社会国際研究ネットワーク・低炭素アジア研究ネットワーク事務局長 / IGES研究顧問

パラレルセッション:
測定・報告・検証(MRV)を通じた緩和活動の促進

社会環境システム研究センターは、インドネシアの市政府や大学とのパートナーシップのもとに、「測定・報告・検証(Measuring, Reporting and Verification:MRV)」研究プログラムについて、二国間での研究を先導しています。この研究プログラムでは、社会環境システム研究センターはボゴール市とボゴール農科大学と連携し、家庭や商業施設におけるデータ収集やエネルギー消費状況の可視化に取り組んでいます。
ISAP開催期間中には、インドネシア側の様々なステークホルダーを迎えて、データ収集や分析など研究活動全体を最適化する戦略を話し合うために、様々な打合せを執り行いました。
パラレルセッションは、社会環境システム研究センターの藤田壮センター長がコーディネーターとして、ボゴール市長であるビマ・アリヤ・スギヤルト氏の他、インドネシア環境・林業省、ボゴール市地方開発企画庁、ボゴール農科大学と国立環境研究所の研究者数名をパネリストとして迎えたパネルディスカッションを行いました。

ボゴール市長を含む、インドネシア側のパネリストからは、ボゴール市やボゴール農科大学で取り組まれている、気候変動の緩和対策の様子について紹介がありました。
藤田センター長をはじめとする、日本側パネリストからは、国内の類似事例(福島県新地町での取り組み)の紹介や、GOSATによる温室効果ガスの観測の紹介などがありました。
全体を通して、“Innovative MRV(革新的MRV)”や、“Challenge with “Real” Monitoring(「本当の」モニタリングへの挑戦)”と言った語が飛び交ったように、それぞれの立場から、緩和活動としてMRVの成果に大きな期待を寄せられていることが伝えられました。

  • [スピーカー] 竹本 明生
    環境省 地球環境局研究調査室 室長
  • ビマ・アリヤ・スギアルト
    インドネシア ボゴール市長
  • 藤田 壮
    国立環境研究所(NIES)社会環境システム研究センター長
  • リザルディ・ボアー
    ボゴール農科大学東南アジア太平洋気候変動リスク管理センター所長
  • [討論者] 竹本 明生
    環境省 地球環境局研究調査室 室長
  • スハルト
    インドネシア・ボゴール市地方開発企画庁 ヘッド
  • リザルディ・ボアー
    ボゴール農科大学東南アジア太平洋気候変動リスク管理センター所長
  • アハマッド・グナワン・ウジャクソノ
    インドネシア環境・林業省 気候変動総局 セクター・地域資源動員課 課長
  • 横田 達也
    国立環境研究所(NIES)地球環境研究センター衛星観測研究室 室長
  • 高橋 健太郎
    IGES気候変動とエネルギー領域タスクマネージャー/主任研究員
  • [閉会挨拶] 塚本 直也 
    IGES統括研究プログラムマネージャー/事務局長
  • [モデレーター] 藤田 壮
    国立環境研究所(NIES)社会環境システム研究センター長

関係者会合

今回来日したインドネシア側関係者と、MRVプログラムを主導している国立環境研究所、及び富士通株式会社の関係者による会合も同時に開催しました。この会合では、ボゴール市の関係者を対象に、モニタリングやデータ収集で用いられている革新的な研究アプローチについてより高い関心を持っていただきました。

3.振り返って

2日間を通して、COP21へ向けたそれぞれの国、ステークホルダーの努力の方向性や、MRVなどの具体的な緩和対策の持つ可能性など、様々なレベルや角度から温暖化対策についての議論が行われました。これらの議論の内容が、今後の温暖化対策にますます有効活用、実践されることが期待されます。