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2016年12月8日

LoCARNet第5回年次会合共催報告

Low Carbon Asia Research Network (LoCARNet) 5th Annual Meeting
"Carrying out the Paris Agreement: Role of research communities in supporting science-based climate policy"

2016年10月25日(火)〜26日(水)に、インドネシアのバンドン市にて、LoCARNet(低炭素アジア研究ネットワーク)が5度目となる年次会合を開催しました。社会環境システム研究センターのメンバーも発表や議論に参加しました。

Low Carbon Asia Research Network
(LoCARNet:アジア低炭素研究ネットワーク)とは?

アジア地域の低炭素成長に向け、科学に基づく政策形成とその実現のために、最新の研究成果や知見を、志を同じくする政策担当者、関連するステークホルダーと共有し、議論を行なう、研究者・研究機関同士のネットワークです。
参考:http://www.iges.or.jp/jp/commentary/201305_ishikawa.html

開催概要

日時:2016年10月25日(火)〜26日(水)
場所:バンドン市(インドネシア)
開催機関:バンドン工科大学(ITB)、ボゴール農科大学(IPB)、地球環境戦略研究機関(IGES)、日本国環境省(MOEJ)、日本国外務省(MOFA)、国立環境研究所(NIES)

報告

会合全体について

地球環境戦略研究機関(IGES)の西岡秀三研究顧問による会合冒頭の発表の中で、こんなひとことがありました。

「パリ協定は交渉の成果だと思われているが、自然と人類との間の契約だ」

“people think that Paris Agreement is the result of negotiation, but it’s contract between human and nature.”

この「契約」を実行するために、今後私たちは具体的に何をしていけばよいのでしょうか。

今回の会合の目的は、気候変動対策のための政策決定における研究コミュニティの役割について話し合うことです。アジア各国から参加した研究者や政策担当者が意見を交わしました。

プログラムの中でも、社会環境システム研究センターのメンバーが発表などを行ったものについて紹介します。

西岡秀三氏(IGES研究顧問)

パラレルセッション2:Innovative Monitoring

コーディネーター:藤田壮センター長、芦名秀一主任研究員
発表者:平田竜一主任研究員(地球環境研究センター、NIES)、Ruandha Agung Sugardiman氏(Ministry of Environment and Forestry, Indonesia)、Muhammad Ardiansah氏(IPB)、Ucok Siagian教授(ITB)、古林敬顕助教(東北大学)、Mr. Toto M. Ulum(ボゴール市)、Tri Widayati氏(Ministry of Environment and Forestry, Indonesia)、藤田壮センター長(社会環境システム研究センター、NIES)

まとめ:今回のセッションでは、地上での森林からの温室効果ガスモニタリングや、都市でのエネルギー消費モニタリングなどが紹介されました。このセッションの特徴は、研究者と行政側のスペシャリストが各々の立場から活発に意見を交換したことです。科学的知見が政策決定の裏付けとなり、今後さらなる協働をなしていくことが期待されます。

パラレルセッション5:NDC and beyond

コーディネーター:森尚樹シニアコーディネーター(IGES)、Ucok Siagian教授(ITB)
発表者:Ms. Endang Pratiwi(Ministry of Environment and Forestry, Indonesia)、Dr. Hak Mao(Ministry of Environment, Cambodia)、Dr. Nguyen Tung Lam(Ministry of Natural Resources and Environment, Vietnam)、増井利彦室長(社会環境システム研究センター、NIES)、Mr. David Abbass(UNFCCC Regional Collaboration Center, Bangkok)、加藤真主席研究員(海外環境協力センター)、Ho Chin Siong教授(Universiti Teknologi Malaysia)、甲斐沼美紀子研究顧問(IGES)

まとめ:このセッションでは、発表者によるレクチャーだけでなく、グループごとの話合いの時間も設けられました。参加者は、アジアの低炭素社会実現に向けた途上国の能力開発(キャパシティビルディング)における課題や、先進国と途上国それぞれの役割、そして科学的知見を共有することの重要性などについて話し合いました。低炭素社会の先のゼロ排出社会を目指して、今後ますます各国の協力が強化されることが期待されます。

終わりに

世界最大の人口を有するアジア。アジア地域の国々が低炭素に発展することは、パリ協定の目標実現のためにも必須です。今後、気候変動対策を進めていくにあたって、より実情に即した政策を立案していくためには、科学的知見や地域の経験などを織り込んでいくことが求められます。その意味で、研究コミュニティの役割はますます重要になっていくでしょう。

参考:
「LoCARNet第5次年次会合の開催 インドネシア、バンドン」(LoCARNetのページ)
http://lcs-rnet.org/jp/locarnet_meetings/2016/12/2026

LoCARNet 5th annual meeting 発表者と資料(LoCARNetのサイトに移ります)
http://lcs-rnet.org/locarnet-5th-annual-meeting/

(文・写真:杦本友里 社会環境システム研究センター)