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2016年9月8日

vol.3-2 藤森 真一郎 研究員<後編>
研究者としての挑戦

インタビュー対象

昨年9月に地球環境論文賞を受賞された、藤森真一郎研究員にインタビューを行いました。

後編は研究者としてのやりがいや、さらなる挑戦について伺いました。

インタビュー内容<後編>

そもそも、なんで研究者になろうと思ったのかという点についてはいかがでしょうか。

それはとても難しい質問です。あまり自分でも明快に答えられません。はっきりという答えはなかったのかもしれないですけど、ある程度思っていたのは、普通に就職して企業の中で働くということに対して、あまり興味が持てなかったというのがありますね。だからと言って役所で働くのもいまいちクリエイティブでもないしな、という思いもありました。将来のこと決めるのは僕らの頃は修士課程1年目(M1)の秋以降でしたが就活が、同時に研究もそれなりに深くやり始めるじゃないですか。4回生、M1と研究をやってて、それなりに面白いなっていう感触もあったので、おそらく最終的にそこで決めたんだと思います。

学生時代も今のことに関連する研究をされてたんですか。

そうですね。当時は、関連してるとあんまり思ってなかったですけどね。でもやってることはコンピュータでプログラムして計算することで、その作業自体はずっと一貫してますね。

そのころから研究っていうものに携わり始めて、その中で、このときはすごい達成感があるとか、このときは面白いとか、逆にこのときは大変だ、みたいなこととかありますか。

それは、時期によって結構変わってきています。学生の頃は、すごくこう、研究作業自体に没頭していた面があったので、例えばコンピュータプログラムを書いていて、うまくいかないなー、となったあとにエラーが解けたっていうだけですごい達成感があるとか、難しいだろうと思っていたようなことがモデルでできるようになった、とかいうだけで楽しい面がありました。新しいプログラムを学んでそれを導入したというだけでも達成感があったように思います。それは特に学生のころに強かったと思いますね。
 博士課程が終わったあと、今の職場に来てもう少しまともに研究っぽい研究をやっていく中で、論文を書いて、査読を通すっていうことに対して喜びを感じることが強くなってきた時期がありました。それまであまり、自分の成果を世の中に出すということに重きを置かずにやっていたけど、少しずつそういう方向になってきて、世の中に自分の成果物が出たらうれしいな、という感覚です。査読を通るプロセスとかもやっぱ大変なので、それをクリアするっていうことに対する達成感とかもたぶんあったと思います。

では、次にチャレンジしたいことはありますか。

そうですね。次のチャレンジ。まだ、達成できてないんですけど、もっとすごい、『Nature』とか『Science』とかに出したらもうちょっとうれしいだろうなとか、あるいは、今、海外の同業者の人らと比べるとまだ全然迫力がなくて、向こうのほうがすごいんですよね。何がすごいのかよく分からないですけど、この研究業界を全部牛耳られてる感じで、そこにきちんと対抗して、あの人たちに自分の存在を認めさせたいという願望があります。彼らが認めてくれたらたぶん、結構満足するんじゃないかなという気がします。でも、それは今のとこチャレンジの段階で、達成はできていません。

なるほど。どれぐらいで達成したいですか。

5年くらいで。5年くらいではやりたいですね。

5年あったらきっと気候変動研究に関してもいろいろ状況も変わりますよね。

そうですよね。5年たったら同じ研究やっているかどうかも分からないですよね。

さっき、論文を出すこと、世の中に出していくことに達成感を感じるようになったとおっしゃっていましたが、研究者として今後、世の中に発信したいことはありますか。例えば、高校生以上の環境問題に関心がある人に対して。

高校生以上で。大学生とかでもいいっていうことですよね。そうしたら、まずぜひ勉強して、こういう研究の業界に興味を持ってもらえたらすごくうれしいですよね。周りを見ていると、新しい世代の研究者がたくさん入ってくるという印象がなくて、この研究分野に先細り感すら感じます。次の世代がきちんと入ってくれば僕らの分野も日本の中できちんと継続的に発展していけると思うので、そういう意味で、もし興味があれば少し勉強して、似たようなことやってる研究室の門をたたいてチャレンジしてもらえたらいいかなと思いますね。気にせず大学の先生とか研究所の研究者とかにコンタクトをとってもらってもいいと思います。
 あとはこの分野に限らずですけどね。一般に科学研究に対して好奇心を持ってくれたらすごくいいなと思います。

そうですね。しかし、なんとなく研究者になるって敷居が高いような気がするんですけど、その辺はどうお考えですか。

敷居高いですかね。高く感じました?

高く感じました(笑)

(笑)どういうところで感じました?
これ私の能力で足りるのかなみたいなとか、そういうことですか。

そうですね。本当にちゃんと書けるのかなみたいな。修士論文でひーひー言ってるのに、これを職業にするなんてやっていけるのかしら、みたいなことを思いましたね。

でも僕もひーひー言ってましたよね。それはなんとなく(今も)変わらないような気がしますけど。でもそういうひーひーを、ある程度楽しめるかどうかとかいうようなこともあるかもしれないですね。あとは、根っこのところである程度楽観的に考えるということも必要かもしれないですね。そういうのはもう、先天的なものも大いにあるかもしれないです。僕はネガティブで、どちらかというと負けん気のみで生きているというような気がします。でもそれも見方によれば楽観的かもしれません。大学生とかに言うとすれば、「いや面白いよ、こういう研究」ってぜひ伝えたいですけどね。

最後に、研究の質問ではないのですが、趣味や余暇の使い方について教えてください。

僕はサッカーをやっています。本当にいいストレス発散源になってますね。

では所内のサッカー部にも入っているのですか?

そうですね。所内もそうですし、あと、隣の気象研のサッカー部にもちょっと混ぜてもらっています。うちのサッカー同好会はリーグ戦とか参加してないんですけど、隣(気象研)は参加してるので、そういうところに混ぜてもらっています。

リーグ戦ってどこのリーグなんですか。

つくば市にリーグがあるんですよ。学園リーグって呼ばれてるやつがあっていろんな研究所がサッカーチームを持っていて参加しています。で、そこに出てやらせてもらってます。

休みの日も時間があればサッカーしてるんですか?

できる時間があればそうですね。だいたい土曜日はやっています。平日は環境研にいればお昼休みに、環境研でもそうですし、気象研でもお昼にやってるのでどっちかに行くっていうことをしてますね。

なるほど。充実してますね!

いろんなストレスをボールにぶつけてるっていうところでもありますけどね(笑)。

それでいい研究をして、バランスを取っているという感じですね!
質問は以上です。ありがとうございました。

第3回スタッフインタビューは、藤森真一郎研究員に、気候変動の緩和策や影響のモデルや、研究者としてのやりがいなどについてお答えいただきました。

(聞き手:杦本友里(社会環境システム研究センター)、2015年9月28日インタビュー実施)
(撮影:成田正司(企画部広報室))