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2017年1月19日

統合研究プログラム

持続可能社会を実現する統合的アプローチに関する研究プログラム

プログラム概要

気候変動の緩和と適応を出発点に、世界、アジア、日本、都市・地域、生活圏等の様々な領域を対象に、社会、経済活動と、資源循環、自然共生、安全確保を含めた環境問題の解決を定量的に分析する重層的なモデル開発を行います。環境と経済、社会の持続性の視点をもち、各領域の将来像について定量的、定性的に分析するとともに、目標とする将来像を実現するために必要となる国際政策、地域・都市政策の設計と評価をあわせて行います。また、提案する政策や対策、技術の実装、実現を支援するためのシステムの構築を行います。

PJ1:世界及びアジアを対象とした持続可能シナリオの開発に関する研究

COP21(2015年12月)で合意されたパリ協定では、全球気温上昇を工業化前比2℃より十分低く保ち更に1.5℃に抑える努力を追求するとの目標が掲げられました。同目標の達成に向けては、速やかにGHG排出の増加傾向を止めるとともに、今世紀後半に人為のGHG排出と吸収の均衡を達成すべく、低炭素・脱炭素の方向への大規模な社会転換を進めていく必要があります。一方で、気候政策は気候以外の社会的課題、例えば飢餓、公平性、経済発展等に正負の副次的影響を及ぼし得ますが、これまでそれらは統合的に議論されてきませんでした。すなわち、気候目標と各種の持続可能開発目標の同時解決への道筋の提示が今望まれています。
そのような背景をふまえ、PJ1では低炭素、資源循環、自然共生の各領域を対象とした課題解決の統合に加え、安全確保も考慮することが可能となる世界規模の統合評価モデルの構築の可能性について議論し、新たな統合評価モデル開発を行うことを第一の目的とします。また、開発した統合評価モデルを用いて、世界全体を対象とした持続可能シナリオの定量化を行うことを第二の目的とします。さらに、ダウンスケール手法の開発・適用を通じて、他のPJにおいても利用可能な空間解像での将来シナリオの提供を行うことを第三の目的とします。アジア全域もしくは主要国については、低炭素、資源循環、自然共生、安全確保を一貫性をもって考慮できる統合評価モデルの開発を行うことを第四の目的とし、世界シナリオと整合するとともに、各国の発展段階に対応した持続可能シナリオを定量的に開発することを第五の目的とします。

(1)世界を対象とした持続可能シナリオの開発に関する研究

サブテーマ1では、低炭素、資源循環、自然共生の各領域を対象とした課題解決の統合に加え、安全確保も考慮した世界規模の統合評価モデルの構築の可能性を議論した上で、新たな統合評価モデルを開発します。次に、開発した統合評価モデルをもとに、各研究プログラムや統合研究プログラムの他PJでの分析の基礎情報となる世界規模の社会経済シナリオを定量化します。また、あわせて統合評価モデルで取り扱う諸問題の同時解決を目指す持続可能な社会の将来シナリオを定量化します。

(2)アジアを対象とした持続可能シナリオの開発に関する研究

サブテーマ2では、統合PJ2と連携して、アジアを対象とした統合評価モデル開発を行うとともに、環境に関する諸課題を各国の発展の段階にあわせて解決する持続可能シナリオを提示します。持続可能シナリオの開発・提示はアジア諸国の研究機関と共同で実施します。

PJ2:地域の持続可能社会の統合的ロードマップ開発に関する研究

持続可能な社会への転換を目指して、低炭素・資源循環・自然共生の各領域の取組が社会と環境へ及ぼす影響を、国土及び地域、都市のスケールで相互に整合的な分析が可能とできるマルチスケールのモデル群を開発します。
地域、都市の包括的な環境社会への実現方策を検討するともに、社会実装による効果検証の視点も加味した総合的な戦略づくりに取り組みます。
具体的には、気候変動の緩和・適応をはじめ、資源循環や生物多様性・生態系保全を含めた環境問題解決のための施策の提案・効果分析に加え、地域活性化・回復などの環境、経済及び社会の観点から、その効果についても総合的・統合的に定量的評価が実施可能を目指し、国から地域・都市まで適用可能な汎用性を持ち、かつ異なる地域スケールの分析を相互に整合的に実施できるモデル群の開発を目指します。

(1)国・地域・都市を対象とした環境影響評価モデルの開発

社会経済状況や気候の変化に応じた様々な分野に生じる影響を、気候変動の影響・適応の視点を出発点として、持続可能な社会に向けての施策の効果を総合的・統合的に定量評価するためのモデルを開発します。

(2)国・地域・都市を対象とした経済・社会・技術の統合評価モデルの開発

エネルギーシステムや資源循環、生物多様性保全や持続的生態系管理など、特に気候変動緩和策および関連する環境問題の視点を出発点に、地域の活性化・効率化などの環境、経済及び社会の観点からの効果を分析するモデルを開発します。

(3)持続可能社会実現策の社会実装支援方策及び社会モニタリング研究

気候変動対策や環境改善のための技術、施策の社会実装の推進のためのエネルギー消費のモニタリングシステムを基盤として、政策や施策の進捗状況や効果をより高頻度かつ詳細に定量把握する社会モニタリングシステムを開発します。

PJ3:持続可能社会実現のための政策と評価に関する研究

低炭素、資源循環、自然共生、安全確保に関する環境政策を総合的に評価するための手法を、調査・分析、制度設計・計画立案、社会実装、評価、といった観点から検討、確立します。特に、PJ1,2や他PGと連携して、主に地域・生活のデザインと法・制度の評価の観点から、持続可能社会の実現方策を明らかにします。

(1)持続可能な社会と地域・生活のデザインに関する研究

持続可能社会実現のための計画策定手法を開発するとともにデータ収集・分析を実施します。また、地方自治体を対象に開発した手法を試行し、改善点の検討と改善のための追加的なデータ収集を実施します。

(2)持続可能社会実現に向けた政策・法制度研究

法制度を含めた政策評価の手続きを検討するとともに、開発した手法とこれまでに得られた成果を統合し、具体的な地域を対象とした適用を通じて持続可能社会実現のための政策評価や実現ロードマップを検討します。