環境研災害研究Q&A_X4
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環境創生研究:被災地の着実な環境回復・復興解説QA地域エネルギーを活かした復興を進めるためには何が必要でしょうか?地域のエネルギー資源を活かした復興には、地域資源を最大限活用したエネルギーシステム設計と実現方策の検討が重要です。たとえば、福島県浜通りでは相馬港LNG基地とパイプラインの整備とともに、天然ガス火力発電所の計画も進んでいます。2017年の新駅開業に向けて建物やインフラの整備が進むJR常磐線新地駅周辺は、パイプラインが近隣を通るため、コジェネレーション等を活用した低炭素かつ低コストなエネルギー供給が可能となる先進的な地域開発が期待されています。図1は、新地駅周辺のエネルギー需要と供給量とを比較したものです。現在の都市計画(左)では、供給と比較して熱需要が大きく不足していますが、区画整理事業を拡大して野菜工場等を誘致すれば(右)、需給バランスが大幅に改善することが分かります。また、野菜工場は、一般的な民生系用途とは逆に、夜間のエネルギー使用が大きいため、需要の平準化にも寄与することが期待されます。加えて、LNG基地のボイルオフガス(気化ガス)や冷熱を活用した産業の誘致も、地域の雇用を増やし、地域の復興促進に寄与すると考えられます(図2)。現在の都市計画を前提に、都市・産業・農業の連携による地域発展を見据えて、再生可能エネルギーやLNG(液化天然ガス)等の地域エネルギー源を活用したエネルギーシステムを設計、実現させていくことが重要です。15野菜工場野菜工場商業・業務商業住宅住宅熱電力内:供給外:需要電力熱図1 新地駅周辺地区におけるエネルギー需給バランスの評価結果図2 地域エネルギー事業を活かした復興都市づくりのイメージ20

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