環境研災害研究Q&A_X4
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環境創生研究:被災地の着実な環境回復・復興解説QA復興と地域発展のための将来像づくりは進んでいるのでしょうか?シミュレーションモデルを用いた将来像の分析と提案を進めています。一例として、福島県新地町では、人口を維持しながら復興・地域発展を続けられる産業のあり方や雇用状況、新たなエネルギー供給システムの姿を具体的に示しました。地域の特徴や個性を活かした将来像づくりには、シミュレーションモデルを用いた分析から有用な知見を得ることができます。これまでに、福島県浜通りの最北部に位置する新地町で2050年までを見据えた復興と地域発展のための将来像づくりを進めてきました。新地町の将来像を描くにあたっては、2011年までの傾向が今後も続く「なりゆき」シナリオと、エネルギーを効率的に融通し合う製造業や野菜工場を戦略的に誘致し、省エネ・省資源となる産業共生型まちづくりを推進する「環境産業共生」シナリオの二つを想定しました。分析の結果、「なりゆき」シナリオでは、少子化・高齢化に加えて若年層の流出が続くことで、2010年に約8千人だった人口が2050年には約5千人まで減少し、産業の総生産額も20%以上減少すると推計されました。一方、「環境産業共生」シナリオでは、戦略的な産業振興と定住促進策により人口は2050年に約9千人とやや増え、総生産額は50%近く増加すると推計されました(図1)。14図1 新地町の二つの社会経済シナリオでの人口(左)と総生産額(右)の将来推移‥2015年の総生産額は復興需要によるもので、なりゆきシナリオでは従前のトレンドに収束していく。なりゆき環境産業共生01002003004005006007002005201020152020202520302035204020452050町内総生産(億円) 02,0004,0006,0008,00010,0002005201020152020202520302035204020452050人口(人)なりゆき環境産業共生19

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