環境研災害研究Q&A_X4
14/24

環境回復研究❷:環境動態、被ばく、生物・生態系解説QA放射性セシウムは河川流域においてどのように移動・蓄積しているのでしょうか?福島第一原発から放出された放射性物質の環境中での移動を明らかにするために、大気・陸域・海域のモデリング研究を進めています。大気モデル:福島第一原発から大気中に放出されたセシウム137の2~3割が2011年3月15~16日と3月20~23日に、雨とともに日本の陸域に沈着したと推定されました。また、シミュレーション結果は、実測された高線量地域(ホットスポット)をよく再現していました(図1)。陸域モデル:陸域に沈着したセシウム137の約7割は森林域に沈着し、その大部分は地表面に長期間留まることが推定されました。海域モデル:海底土のセシウム137の大部分は、2011年5月末に通過した温帯低気圧の強風によって海底より巻き上がった濁質に吸着して沈降・堆積したものであること、堆積後のセシウム137の移動・拡散速度は海水中と比べて非常に遅いことが明らかになりました。大気中に放出されたセシウムは雨によって森林に落ち、その大部分は地表に留まり続けると予測されます。海底のセシウムの移動も非常に少ないと考えられます。09403938373635143142141140139138航空機モニタリングCs-137 (kBq/㎡) 3000 < 1000 - 3000 600 - 1000 300 - 600 100 - 300 60 - 100 30 - 60 10 - 30 0.5 - 10403938373635143142141140139138モデルによるシミュレーション図1 航空機モニタリング(左)とシミュレーション(右)で推計されたセシウム137の積算沈着量(kBq/m2)14

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です