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2012年4月16日更新


東日本大震災 関連ページ

このたびの東日本大震災により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

国立環境研究所では、所内に「復旧・復興貢献本部」を設置し(3月29日)、研究所として、1)災害廃棄物対策、2)地元の環境研究所等との協働、3)適時適切な情報提供、を活動の三本柱として貢献することといたしました。

特に、災害廃棄物に関しては、専門的知見を結集し技術的側面から支援するため、研究者・専門家ネットワークを立ち上げるとともに、研究者の現地への派遣を随時行い、災害廃棄物処理に関する環境省及び関係自治体等による対応に対して、現場状況や関係者のニーズを踏まえた技術情報の提供を進めています。 また、関係機関と連携し、被災地における災害廃棄物処理に関する技術的支援を行っています。

本ページでは、こうした震災復旧・復興に向けた当研究所の取組を皆様にご紹介しています。今後もできる限りその内容を充実していきたいと考えていますので、ご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

目次
Ⅰ. 新着情報
Ⅱ. 国立環境研究所における取り組み
  1. 研究者ネットワーク等を活用した災害・放射性物質汚染廃棄物対策への貢献
  2. 水道水における放射性物質対策検討に対する貢献
  3. つくば市内における放射性物質及び放射線の測定
  4. 福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気輸送沈着シミュレーション
  5. 環境情報メディア「環境展望台」における環境関連の震災情報の検索サービス
Ⅲ. 震災に関連した情報源
Ⅳ. 国立環境研究所の研究者による関連成果等

Ⅰ. 新着情報

Ⅱ. 国立環境研究所における取り組み

国立環境研究所では、東日本大震災に関連する様々な問題に、研究者ネットワークを活かして環境研究の面から貢献できるよう、検討を進めているところです。

以下では、現在実施している主な取り組み内容を紹介します。

  1. 研究者ネットワーク等を活用した災害・放射性物質汚染廃棄物対策への貢献
  2. 水道水における放射性物質対策検討に対する貢献
  3. つくば市内における放射性物質及び放射線の測定
  4. 福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気輸送沈着シミュレーション
  5. 環境情報メディア「環境展望台」における環境関連の震災情報の検索サービス

※これらの取り組みの概要を紹介するポスターを作成しました。

1.研究者ネットワーク等を活用した災害・放射性物質汚染廃棄物対策への貢献

国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センターでは、国内研究者・技術者で構成される震災対応ネットワークの活用や、廃棄物資源循環学会及び関係研究機関等との連携により、各種技術情報の策定・提供、現地調査及び助言指導等を実施し、国及び地方自治体における災害廃棄物及び放射性物質汚染廃棄物等の処理推進を支援しています。さらに、各種緊急調査研究等を実施し、国における災害・放射性物質汚染廃棄物に関する技術基準及び指針等策定への支援を行っています。

2.水道水における放射性物質対策検討に対する貢献

平成23年6月21日に厚生労働省が公表した検討会報告「水道水における放射性物質対策 中間取りまとめ」において、国立環境研究所の大原利眞地域環境研究センター長らの大気シミュレーションモデルの研究成果が活用されました。

この報告は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、今後の中長期的な水道水の安全性確保を期すため、水道水への放射性物質の影響メカニズムの検証、水道水中の放射性物質の低減方策、モニタリング結果を踏まえた中長期的な取組等の水道水中の放射性物質対策に係る今後の課題について検討を行い、中間報告としてとりまとめられたものです。福島県や関東地方の水道水に放射性物質が検出された 問題のメカニズムを理解するためには、大気中に放出された放射性物質の移流・拡散と地上への降下を評価する必要があります。そのために、大原センター長らによる大気シミュレーション結果が使用されました。

具体的には下記のページをご覧下さい。

3.つくば市内における放射性物質及び放射線の測定

1) 高エネルギー加速器研究機構との協力による、大気中の放射性物質の測定

国立環境研究所敷地内に設置されたハイボリュームエアサンプラ 茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構と国立環境研究所が協力し、2011年3月15日(火)午後から、つくば市における空気中の放射性物質の種類と濃度の測定を実施しています。

国立環境研究所では、ハイボリュームエアサンプラという研究機器を使用し、同研究所敷地内で大気を採取しています。この機器には、粒子状物質を捕らえるための石英繊維フィルターと、ガス状物質を捕らえるための活性炭素繊維フィルターがあり、それらのフィルターで捕らえられた物質を、高エネルギー加速器研究機構で分析しています。

これまでに得られた測定結果は、高エネルギー加速器研究機構のホームページ(下記URL)に公開されており、今後も新しいデータが追加されます。

両者は今後も協力して測定を継続し、正確なデータの公表に努めていきます。

放射性物質の測定結果を見る(高エネルギー加速器研究機構のホームページ) http://www.kek.jp/ja/Research/ARL/RSC/Radmonitor/

測定方法

石英繊維フィルター(上)と活性炭素繊維フィルター(下の円筒中の黒い部分)
  • 大気の採取時間は1回あたり1〜2日間(連続)、採取量は1気圧換算で850〜1700m3程度です。
  • 風により運ばれてくる物質の影響をとらえやすい、地表よりもやや高い場所を選定しました。
  • 石英繊維フィルターは、上記の写真1で人が手を添えている部分にあります。実際には雨よけのふたを閉めて採取します。
  • 活性炭素繊維フィルターは、機器内部にある円筒の中に装備されています。
  • 大気は、機器上部から、石英繊維フィルター、活性炭素繊維フィルターの順に通過し、フィルターに大気中の物質が捕らえられます(写真2)。
  • 採取条件一覧

この測定についての背景・解説

■大気中を風で運ばれる放射性物質

発電所敷地内などごく近くでは、施設自身や爆発で生じたがれきからの放射線を受けるために高い放射線量が観測されています(原子力発電所施設周辺での測定データ)。一方、環境中で観測されている放射線は、施設から直接に届く放射線ではなく、施設から放出され、大気中を風で運ばれた放射性物質からの放射線です。野菜や水道水から検出されている放射能は、こうして各地に運ばれた放射性物質が地表に降下して直接葉に付着したり、植物体中に取り込まれたり、雨水とともに河川に流れこんだりしたものです。

■情報を読み解くために大切なこと

放射能は物質が放射線を出す能力を意味しますが、放射能漏れ、という場合には、放射能をもつ物質=放射性物質が施設外部に出たことを指します。発表されているデータを読み解くために放射線、放射能、放射性物質を区別することが大切です。

また、「1時間あたりの放射線量」(線量率)のデータは、医療検査などで「1回あたりに浴びる放射線量」と直接に比較するのではなく、それを浴びる時間をかけて足し合わせて(積算して)比較することが適切です(福島県内の積算線量データ)。また、環境中の放射性物質に由来して体の外から浴びる放射線(外部被ばく)と、呼吸や飲食によって体内にとりこまれた放射性物質から浴びる放射線(内部被ばく)の区別も大切です。

■内部被ばくの影響を考える上で、大気中の放射性物質を直接はかることは重要

今回、国立環境研究所がハイボリュームエアサンプラでの試料採取を行い、高エネルギー加速器研究機構が測定したデータは、大気中を漂っているガスや微粒子を採取し、そこに含まれる放射性物質の種類や放射能の強さを測定したものです。このように大気中の放射性物質を直接採取し、測定したデータは、内部被ばくの影響を検討する上で重要です。

一方、多くの機関による空間線量測定器を用いた測定データも大気中放射線として発表される場合がありますが、これには大気中を漂う放射性物質からの放射線だけでなく、地表などに付着した放射性物質からの放射線も含まれますので、意味が異なります。

原子力発電所から放出された放射性物質の環境中における挙動(模式図)

原子力発電所から放出された放射性物質の環境中における挙動(模式図)

(画像をクリックすると拡大表示されます)

2) つくば市教育施設の放射線測定への協力

放射線計測に使用した機器(γシンチレーションサーベイメータ)2011年5月27日、国立環境研究所はつくば市の要請により市内132ヶ所の学校施設の放射線量測定に協力しました。この測定には国立環境研究所、高エネルギー加速器研究機構、産業技術総合研究所、筑波大学、物質・材料研究機構から13名の専門家が参加しました。

国立環境研究所では、放射線計測機器2台を貸し出すとともに職員2名を派遣しました。つくば市内の保育所、幼稚園、小中学校などを13グループに分け、校庭等の放射線量を測定しました。この測定結果は、つくば市のホームページで公表されています。


4.福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気輸送沈着シミュレーション

国立環境研究所の研究グループは、平成23年3月11日の東日本大震災に伴う事故によって東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の大気中の挙動を明らかにするために、日本中央域を対象とした大気輸送沈着シミュレーションを実施しました。

その結果、放射性物質の影響は福島県以外に、宮城県や山形県、岩手県、関東1都6県、静岡県、山梨県、長野県、新潟県など広域に及んでいることが明らかになりました。また、モデル解析から、福島第一原発で放出されたヨウ素131の13%、セシウム137の22%が日本の陸地に沈着して、残りは海洋に沈着するか、モデル計算領域外に輸送されると推計されました。

本研究成果は、Geophysical Research Letters(アメリカ地球物理学連合発行)誌の学会員向け電子版に8月11日付けで掲載されました。

以下に参考資料を示します。

      【ヨウ素131】

      【セシウム137】

5.環境情報メディア「環境展望台」における環境関連の震災情報の検索サービス

国立環境研究所が運営する環境情報メディア「環境展望台」(http://tenbou.nies.go.jp/)では、中央省庁等における環境関連の震災情報を検索できるサービスを提供しています。このサービスは、同サイトの「検索・ナビ」の機能を拡張したもので、情報源を中央省庁等に絞り込むことで、一般の検索エンジンに比べて、震災関連の公的な発表資料を検索しやすくなっています。

【検索例】
検索ワード:「放射性物質 検出 福島」 & サイトの絞込み:「環境関連の震災情報」で検索
検索ワード:「放射性物質 水道水」 &サイトの絞込み:「環境関連の震災情報」で検索
検索ワード:「災害廃棄物」 &サイトの絞込み:「環境関連の震災情報」で検索

Ⅲ. 震災に関連した情報源

1. 放射能関連

1) 放射線量

(1) 原子力発電所施設周辺での測定データ
(2) 各地の空間線量率の観測データ
(3) 内部被ばくも含めた線量予測
(4) 国際原子力機関(IAEA)が指定する放出条件(仮定)に基づく拡散予測

2) 水道水中の放射能

3) 風向、風速

4) 基礎知識

2. 廃棄物関連

1) 省庁

2) 学会等

3) 震災対応ネットワーク関連資料

3. その他

Ⅳ. 国立環境研究所の研究者による関連成果等

1) 放射線モニタリング例

2) 大気中の放射性物質の拡散シミュレーション例

3) 兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)に関連する報告例

4)ナホトカ号による原油流出事故に関連する研究例


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