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《研究課題コ−ド》0405AF967
《研究課題名(日本語)》霞ヶ浦における湖水白濁化現象の機構解明
《研究課題名(英語)》Appearance mechanism of white turbid water in Lake Kasumigaura
《予算区分》AF 奨励
《開始/終了年度》2004〜2005
《研究目的・目標》
近年,霞ヶ浦の湖水が白濁化する現象がしばしば認められている。これは1980年代に台頭したアオコに替わる,新たな湖内懸濁物の発生現象と位置づけることができる。現在までの知見として,白濁物質の主体は無機物であると言われている。本研究では霞ヶ浦懸濁物質に対し,化学的・鉱物学的手法を用いてその特性を解明し,白濁化現象の機構解明を目指す。
《全体計画》
2004年夏季から1年間,霞ヶ浦の懸濁物質をモニタリングする。採水は最も白濁化現象が観察される掛馬沖を定点として毎月行う。回収した懸濁物質について,粒径組成や元素組成などの理化学性および鉱物組成についての分析を行う。得られた結果より,湖水に白色を付与する因子を検討し,その起源を考察することによって,白濁化現象の発生メカニズムを解明する。
《前年度の成果概要》
夏季から初春までの懸濁物質の特性に関する知見を得た。懸濁物質の粒径は夏季から冬季に掛けて粗粒になる傾向を示し,初春にかけて再び細粒になった。鉱物組成に関しては,二次鉱物はカオリナイト,イライト,バーミキュライトが主体を成しており,明瞭な季節間差は認められなかった。一方,一次鉱物は石英(ケイ藻片を含む),長石,クリストバル石が主体を成していたが,白濁化が認められた夏季の懸濁物質にはカルサイトが多く含まれていた。そこで懸濁物質に対して,電子顕微鏡観察とエネルギー分散型X線分析装置を用いて形状観察と元素組成分析を行った。その結果,夏季にはカルサイトだけではなく,非晶質の炭酸カルシウムも多く含まれていることが明らかになった。懸濁物質全体の元素組成分析結果もこれを支持し,夏季の懸濁物質にはカルシウムが多量に含有されていることが明らかになった。これらの結果を受けて,霞ヶ浦湖底堆積物について同様の分析を行ったところ,底質には炭酸カルシウムがほとんど含まれていなかった。以上から,霞ヶ浦の白濁化現象には,白色沈殿である炭酸カルシウムが湖水中で生成し,湖水に白色味を付与している可能性が示唆された。
《今年度の研究概要》
引き続き夏季まで懸濁物質のモニタリングを実施する。また,前年度に得られた仮説を証明するために,湖水や流入河川の水質データを用い,炭酸カルシウムの沈殿生成について溶解度積とイオン積からの検討を行う。
《課題代表者》宇田川弘勝
《担当者》○宇田川弘勝(生物多様性研究プロジェクト),高村典子
《キーワード(日本語)》
湖水の白濁化,湖底堆積物,無機コロイド,霞ヶ浦
《キーワード(英語)》
WHITE TURBID WATER, LACUSTRINE DEPOSITS, INORGANIC COLLOID, LAKE KASUMIGAURA