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《研究課題コ−ド》0305AG597
《研究課題名(日本語)》湿地生態系の自然再生技術評価に関する研究
《研究課題名(英語)》Studies on assessment of restration technology of wetland ecosystem
《予算区分》AG 特別研究
《開始/終了年度》2003〜2005
《研究目的・目標》
湿地生態系の機能を再生させ、より良い環境を取り戻すには、人工湿地を含めた湿地の再生・創造が不可欠である。そのため、より自然に近い湿地生態系の自然再生実験等によって自然の節理を学び、湿地生態系の再生及び管理・事業評価を実施する必要がある。本研究は自然再生事業に先立つ理念・シナリオの形成を行い、野外調査及び再生実験等から基礎的知見を得て、持続可能な湿地生態系の再生技術の検討を行うと同時に、再生評価手法を開発することを目的とする。
《全体計画》
モデル低湿地として実際に自然再生事業が実施されている低湿地(霞ヶ浦湖岸)とその参照地としての低湿地(涸沼湖岸、菅生沼、小櫃川河口湿地等)を選定し、種及び生態系レベルでの生物多様性と水草帯の機能について、比較調査・実験を行う。水草帯の成立条件に関連する資料等の収集及びデータベース化を行うとともに、種及び生態系レベルでの多様性と水草帯の機能の相互関係について、野外調査・実験を行い、水草帯生態系のサービス機能評価基準を算定するためのベースを作成する。湿地に関係する専門家からなる「自然再生事業評価検討委員会」を研究プロジェクト内に設置し、再生目標設定と再生対象種の選定技術の評価を行う。
《前年度の成果概要》
水位の変化が底泥機能へ及ぼす影響として、底泥中の細菌相の機能的多様性への影響に注目して実験を行った。細菌が利用できる炭素源と底泥中の細菌群集の多様性と水位の関係を解析した。30種類の炭素源での細菌の増殖を調べ、アミン、アミノ酸類、カルボン酸類の寄与率が高いことから、冠水条件下の底泥では、これらの基質を利用する細菌が優占してくることが推測された。霞ヶ浦湖岸で確認されたマコモ、クサヨシ、カサスゲを試験対象種として、水位変化による生育状況の違いを調べ、現地において植物の成長期に水位操作を行うと、長期間の水位上昇では、カサスゲ群落がミクリ群落、クサヨシ群落がヨシ群落に変遷する可能性が高くなり、また、長期間の水位低下では、クサヨシ群落は縮小し、代わりに陸域の植生に変遷すると推察された。
《今年度の研究概要》
既存情報の収集、現地観測、モデル低湿地のGIS化を行う。人工湿地を造成し、実際の再生事業の検証。自然再生事業の実態調査をする。バイオマニュピュレーション手法の応用を実施する。「自然再生事業評価検討委員会」の開催・取りまとめを行う。
《課題代表者》野原精一
《担当者》○野原精一(生物圏環境研究領域),広木幹也,佐竹潔,矢部徹,高村典子,今井章雄,日引聡,佐竹研一
《キーワード(日本語)》
自然再生,湿地生態系,バイオマニュピュレーション,評価手法,理念
《キーワード(英語)》
RESTRATION, WETLAND ECOSYSTEM, BIOMANIPULATION, ECOSYSTEM ASSESSMENT, IDEAL