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《研究課題コ−ド》0304AF345
《研究課題名(日本語)》釧路湿原達古武沼の自然再生に向けての調査研究
《研究課題名(英語)》Restoration of Lake Takkobu in Kushiro mire
《予算区分》AF 奨励
《開始/終了年度》2003〜2004
《研究目的・目標》
2000年の国立環境研究所の調査により、釧路湿原の東部3湖沼では水質ならびに生物相が近年急速に悪化してきていることが指摘されている。本研究では、3湖沼の中で、未だ富栄養化傾向が低いレベルに抑えられており、早急に対策を施せば生態系が回復できる可能性の高い達古武沼を対象に、1)汚濁原因の究明と2)自然再生を行うための基礎的調査研究を行う。
《全体計画》
2003年 達古武川、釧路川の逆流水から達古武沼への負荷量の算定を行う。達古武沼の水質特性、プランクトン、ベントス、魚類、水草などの調査を行い、生態系構造の特徴を明らかにする。
2004年 キャンプ場からの負荷量の算定。達古武沼の食物網を安定同位体を用いて明らかにする。また、外来種であるウチダザリガニの生態影響評価を行う。
《前年度の成果概要》
植物プランクトンは、春に黄色鞭毛藻,夏に藍藻(アオコ形成種Anabaena smithii),秋に緑藻・珪藻が優占した。動物プランクトン群集は主にワムシで構成され、甲殻類動物プランクトンの現存量は極めて少なかった。動物プランクトン食魚類の捕食圧が強いことがわかった。底生動物については、水生植物体上の多様性と個体数が圧倒的に高く,それ以外の地点では低い.水草については2000年の調査で確認できなかったホソバミズヒキモとイバラモを確認できたが、逆にセキショウモとヒロハノエビモの出現を確認することができなかった。魚については、河川と沼の移行域で22種が採捕され、沖8種、沿岸16種に比べ多く、達古武沼水系の魚類相の把握には移行域のモニタリングが効率的であることがわかった。沖ではイシカリワカサギとワカサギが優占した。魚類群集は南から北への環境傾度により支配されているようで、イトヨ属、イバラトミヨ、イシカリワカサギが南、エゾウグイ、ウチダザリガニ、スジエビが北に多かった。ウチダザリガニは釧路川へと繋がる達古武沼川の流出部で多かった。水質については2000年と同様、窒素、リン、クロロフィルa量とも高い値であった。
《今年度の研究概要》
引き続き、達古武沼の汚濁負荷の原因を究明する。また、安定同位体を用いた食物網の解析や、外来生物であるウチダザリガニの生態系影響評価を行い、達古武沼の生態系回復の施策(負荷量の削減の方法、バイオマニピュレーションなどの生態系回復手法の検討、自然再生の目標設定)のための調査研究を行う。
《備考》
環境省釧路湿原自然再生事業に研究協働として参加。
共同研究者:生物多様性研究プロジェクト・西川潮
《課題代表者》高村典子
《担当者》○高村典子(生物多様性研究プロジェクト),五十嵐聖貴,上野隆平,亀山哲
《キーワード(日本語)》
湖沼,生態系回復,釧路湿原,アオコ,生物多様性
《キーワード(英語)》
LAKE, ECOSYSTEM, RESTORATION, KUSHIRO MIRE, WATERBLOOM