研究課題詳細表示
《研究課題コ−ド》1515AQ005
《研究課題名(日本語)》エコトーンを利用する両生爬虫類の分布推定と分布変化予測
《研究課題名(英語)》Estimation and change prediction of spatial distribution in amphibians and
reptiles living in ecotones
《予算区分》AQ センター調査研究
《研究経費》150万円
《開始/終了年度》2015〜2015
《研究概要》
水域‐陸域といった異なる環境の双方を生活史上必要とする生物は、どちらか一方でも喪失・改変された場合にその影響を受けることから、環境変化に対する脆弱性が高いと考えられる。本研究では、水/陸エコトーンを利用する両生爬虫類の分布推定モデルを開発し、土地利用変化や温暖化など将来的な環境改変に対する生物分布の応答を定量的に評価・予測する。これらの評価・予測にもとづき、保全上優先度の高い種や環境を提示する。
《研究の性格》
主たるもの:基礎科学研究
従たるもの:技術開発・評価
《全体計画》
1)水田棲両生類
1960 年の農地改革以降、日本の水田環境は大きく様変わりしてきた。例えば、大型機械の導入に伴う排水システムの改変、農家の減少や高齢化による耕作放棄地の増加、これらは耕作地の乾燥化をもたらし、水田を繁殖地として利用する多くの日本の両生類に多大な影響を与えていると懸念される。そこでまず、衛星リモートセンシング技術を利用し耕作地の湛水状況を広域で評価する手法を開発する。本課題では高精度の両生類分布データが存在する千葉県を対象域とする。現地調査によって得られた冬季の湛水地空間分布と衛星画像データを照合し、非耕作期における湛水域の分布マップを作成する。また、田植え期の衛星画像と水田GISデータを利用し、耕作放棄地の分布マップを作成する。これらの成果と圃場整備GISデータを統合した耕作地の空間分布データを整備する。上記空間分布情報を加えた土地利用分布パタンと両生類の分布情報との関連性について統計モデルによって検討する。これにより、耕作地の乾燥化や連続的な湿潤環境の短期化による各種の分布への影響ついて明らかにする。また、構築したモデルを利用し将来的な土地利用変化に対して脆弱な種や環境を予測・評価する。

2)半陸棲ウミヘビ類
エラブウミヘビ類は海で採餌し陸で産卵・休息・給水をおこなう半陸棲のウミヘビ類である。本課題ではまず、絶滅危惧?類に指定される本グループの生息適地を明らかにするため、西表島における高精度の空間分布情報にもとづき、ウミヘビが利用する海-陸環境のつながりを考慮したハビタットスケールでの分布推定モデルを開発する。エラブウミヘビ類は、体内の塩分濃度調節のために海岸に供給される淡水を摂取する必要がある。一方、島のサイズは保水力と強い関連性があるため、海岸へ持続的に供給される淡水の量は島サイズと関連することが推測される。そこで、琉球列島・台湾・フィリピンと南北に連なる様々なサイズの島嶼におけるエラブウミヘビ類3種の分布情報を用いて、島サイズと環境温度を考慮した広域スケールでの分布推定モデルを開発する。これにより、温暖化による降雨量やそのパタンの変化、また気温・水温などの環境温度の変化に伴う各種の分布動態について検討する。
《今年度の研究概要》
本研究の研究期間は一年であるため、当該年度の研究計画は上記のとおりである。
《外部との連携》
長谷川雅美(東邦大学)
《課題代表者》木寺法子
《担当者》○木寺法子(生物・生態系環境研究センター),角谷拓,高村典子
《キーワード(日本語)》
分布モデル,リモートセンシング
《キーワード(英語)》
Species distribution model, Remote sensing