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《研究課題コ−ド》1115AA041
《研究課題名(日本語)》観測とモデルの統合によるマルチスケール大気汚染の解明と評価
《研究課題名(英語)》Evaluation of multi-scale air pollution by integration of observation and model
《開始/終了年度》2011〜2015
《研究概要》
経済発展が著しい東アジアではオゾン・エアロゾルの前駆物質排出量が急増し、地域規模で大気汚染が深刻化している上、半球規模で大気質が変化している。このような状況下、日本においてもオゾンの環境基準見直しの機運が高まるとともに、PM2.5の環境基準が新しく制定された。しかしながら、オゾンやPM2.5に関する大気汚染には、国外からの越境汚染に加えて国内における生成も影響するため定量的理解が困難である。そこで本研究では、地上・船舶・航空機による野外観測、宇宙からの衛星観測、全球・領域化学輸送モデルを統合的に使用して、半球/東アジア/日本域のマルチスケール大気汚染の実態と発生機構を解明するとともに、将来予測と対策シナリオ・影響の評価を行う。それにより、東アジア地域における広域大気環境管理のための国際的枠組みの策定に寄与することを目的とする。
《前年度の成果概要》
地上や船舶等を用いたアジアにおけるバックグランド大気中のオゾン・エアロゾルのモニタリング観測を開始するとともに、アジア大陸からの越境汚染の影響を強く受ける九州地域においてガス状・粒子状大気汚染物質の包括的観測を開始した。また、マルチスケールにおける化学輸送モデルや排出インベントリーの開発に着手した。具体的には、自由対流圏中の観測やユーラシア大陸内部における観測について観測の開始を検討するとともに、過去の観測データを用いてアジアのバックグラウンド大気中におけるオゾン・エアロゾルの長期変化・年々変動の検出を試み、欧州や北米と比較研究を行った。また、九州北部地域(福江島、福岡市)におけるエアロゾルの包括的観測を開始し、越境輸送されてくるPM2.5の相対的寄与率を求めるとともに、当該地域における疫学調査の実施計画を検討した。排出インベントリーは、日本の排出インベントリーの整備にも取り組んだ。さらに、越境大気汚染が日本国内の植物に及ぼす影響評価のための観測・実験的研究に着手した。
《今年度の研究概要》
地上や船舶等を用いたアジアにおけるバックグランド大気中のオゾン・エアロゾルのモニタリング観測を継続するとともに、アジア大陸からの越境汚染の影響を強く受ける九州北部地域(福江島、福岡市)においてガス状・粒子状大気汚染物質の包括的観測を継続する。また、マルチスケールにおける化学輸送モデルの開発や排出インベントリーの整備を継続する。自由対流圏中の観測やユーラシア大陸内部における観測については、引き続き実施の可能性を検討する。さらに、九州北部地域における疫学調査や、越境大気汚染が日本国内の植物に及ぼす影響評価のための観測・実験的研究を継続する。
《外部との連携》
海洋研究開発機構、アジア大気汚染研究センター、九州大学、東京農工大学、東京大学、中国環境科学研究院、清華大学、インド工科大学(IIT)
《課題代表者》谷本浩志
《担当者》○谷本浩志(地球環境研究センター),高見昭憲,大原利眞,佐藤圭,清水厚,菅田誠治,永島達也,森野悠,近藤美則,清水英幸,猪俣敏,向井人史,町田敏暢,青野光子,上田佳代,伊禮聡,西澤匡人,三好猛雄,五藤大輔,工藤慎治,杉本伸夫
《キーワード(日本語)》
大気汚染,オゾン,エアロゾル,アジア
《キーワード(英語)》
air pollution, ozone, aerosol, Asia