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《研究課題コ−ド》1115AA052
《研究課題名(日本語)》生物多様性の広域評価およびシナリオ分析による将来予測に関する研究
《研究課題名(英語)》The study on the large scale assessment of biodiversity and its furure projection based on social scenario analysis
《開始/終了年度》2011〜2015
《研究概要》
本研究課題は、日本全国スケールでの土地利用の変化に対する生物多様性の応答を評価・予測するモデルを開発し、生物多様性保全の観点から、効果的な国土利用デザインを評価する枠組みを構築することを目的とする。
将来的に人口減少が予測される日本においては、集約的な管理が必要とされる農地や二次林・植林地などの維持が困難になることが予想される。その場合、管理されなくなった場所を比較的管理を必要としない湿地や森林に戻していくのか、あるいは農地・二次林などに依存する生物のために公的にコストをかけて維持するのかといった生物多様性保全上の問題が生じる。このような課題に答えるためは、生物多様性を考慮した国土利用デザインを評価するための科学的な枠組みが必要である。
国土利用デザインを考える範囲は日本全国とし、10kmグリッド程度の空間単位(解像度)で空間明示的な分析を実施する(全国で約4500グリッド)。土地利用の変化は、グリッド内の畑地・草地・集約的水田・中山間水田・休耕田・二次林・植林地などの比率の変化として把握する。また、高山域・国立公園など将来にわたって大きな土地利用の変更が想定されない地域においても、気候変動やシカの増加などの諸要因の変化を考慮することで、これらの地域における生物多様性の応答も評価・予測の対象とする。
本課題は2つのサブテーマからなる。サブテーマ1では、多数の生物種を対象とし、土地利用条件などから存在確率を推定する生物分布推定モデルを構築し、土地利用が変化した場合の存在確率の応答の予測を可能にする。対象とする空間単位(10kmグリッド)ごとに推定された、多数の生物種の存在確率をもとに種ごとの分布範囲を補完・推定し、多数の種の分布情報にもとづく生物多様性の状態の広域的な評価を可能にする。さらに、生物多様性の状態評価のための指標や指標群の検討を実施する。
サブテーマ2では、既存の人口動態や交通網、地価などの情報をもとに保全のための対策を行わない場合の土地利用変化の予測をおこなう。この予測を元に、複数の社会シナリオの下での土地利用変化のシナリオを構築する。その上で、サブテーマ1で構築された生物分布の土地利用変化に対する応答予測モデルを利用し、各土地利用シナリオの下での全国的な生物多様性の応答の予測・評価を実施する。
《前年度の成果概要》
200種以上の絶滅危惧維管束植物種について、日本全国スケールでの、土地利用変化への応答予測が可能にするための分布推定モデルを構築した。
日本全国スケールにおいて、絶滅リスクを効果的に率的に低減させるうえで重要な保全地域を特定するための手法の開発に着手し、高速で候補地を選択する計算ツールを作成した。また、維管束植物および脊椎動物を対象に、保全重要地域の選定・評価を試行的に実施した。
日本全国スケールでの、土地利用の将来変化に関する定量的なシナリオの構築に着手するとともに、これにもとづいた保護区選定の手法を検討した。
《今年度の研究概要》
日本全国スケールを対象に、生物の分布データにもとづいて生物多様性の状況および保全策の効果を、生物の絶滅リスクにもとづいて総合的に評価する手法および計算ツールを開発する。
人間による土地利用の変化が生物の絶滅リスクに与える影響を評価・予測するため、将来の土地利用の推計を行う。また、試行的なシナリオを構築し、これを前提にした生物多様性の状況の評価を行う。
《課題代表者》竹中明夫
《担当者》○竹中明夫(生物・生態系環境研究センター),石濱史子,角谷拓,横溝裕行,深澤圭太
《キーワード(日本語)》
生物多様性,分布推定モデル,土地利用,代替指標,保全計画
《キーワード(英語)》
biodiversity, predictive distribution model, land use, surrogate, systematic conservation planning