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《研究課題コ−ド》0911CD001
《研究課題名(日本語)》文理融合に基づく淡水生態系の生物多様性保全・管理手法の開発
《研究課題名(英語)》Developing management methods for freshwater ecosystems based on an interdisciplinary approach
《予算区分》CD 文科-科研費
《研究経費》200万円
《開始/終了年度》2009〜2011
《研究概要》
日本の灌漑用ため池は,生物多様性の宝庫で,淡水域の生物資源の保全の場として極めて高い価値を持つ。しかし,都市化や農業の衰退が進む現在,その環境も脅かされている。ため池の維持管理は社会的な営みであるため,その保全は自然科学と社会科学双方の知識を融合して実施することが望まれる。そこで,まず,自然科学の手法でリスク因子や生物間相互作用を明確化し,さらに社会科学の手法で人々の選好を探り,双方の知識を融合して,淡水域の生物多様性の効果的な保全・管理に有効な手法の開発を目指す。
《研究の性格》
主たるもの:応用科学研究
従たるもの:技術開発・評価
《全体計画》
生物多様性低下の原因となっているリスク要因の解明、外来動物の生態影響評価、ため池に関わる人々の選好構造の解明を総合し、1)兵庫県南西部を対象とし、生物の分布モデルに基づく保全地区の設定(希少種の優先保全地域と侵入種の優先駆除地域)と社会的に有効な保全地区の設定(保全・管理意識の高さ、社会的な便益の大きさ)から、保全に有効な地域を明確にする。2)保全効果の高い地区を対象に、個別の保全活動(池の管理、植生回復、侵入種の駆除、希少種の保全)に焦点をあて、科学的に有効な保全策について順応的管理が可能な取り組み試案を作成する。
《前年度の成果概要》
「環境経済評価」の手法を用いて外来種管理に対する一般市民の選好(価値観)を把握するとともに,外来種管理に対する人々の支払意志額を推計した。選択肢3「対策をとらない」を選択した場合,何らかの対策をとることを意味する選択肢1または2を選択した場合と比較して,非常に大きく効用が低下することが明らかとなった。ここから,人々が「(内容にかかわらず)何らかの対策をとること」を強く望んでいることが明らかとなった。「ため池の生物多様性保全」をテーマとしたワークショップを開催し、専門家の説明や参加者間での意見交換の合間に数回のアンケートを実施することで、詳しい情報提供や参加者間の議論が支払意志額(Willingness to Pay:WTP)にどのような影響を与えるのかを検証した。また、ため池管理者や保全意識の高い市民が議論に参加することでWTPがどのように変化するかも検証した。
《今年度の研究概要》
アンケート調査
昨年度実施した、外来種管理に対する一般市民の選考(価値観)についての、経済評価結果の解析を進める。

審議型経済評価
ため池の生物多様性保全に対する一般市民の選考を、経済評価を用いて把握する。専門家の講義、ため池の管理農家やため池の生物多様性の保全活動を主催している市民との話し合いなどにより、選考がどのように変化するのかについて、CVMないしコンジョイント分析により、評価する。

以上の結果をとりまとめて、論文や本にて発表する。
《備考》
柘植隆宏(甲南大学)西川潮(新潟大学)
《課題代表者》高村典子
《担当者》○高村典子(生物・生態系環境研究センター),今井葉子
《キーワード(日本語)》
生物多様性,保全,池
《キーワード(英語)》
biodiversity, conservation, ponds