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《研究課題コ−ド》1620AS006
《研究課題名(日本語)》PG2 環境創生研究プログラム
《研究課題名(英語)》Environmental Renovation Research Program
《予算区分》AS 災害環境研究
《研究経費》0万円
《開始/終了年度》2016〜2020
《研究概要》
 福島県の浜通り地域を対象として実施してきたまちづくり支援研究を発展させて、環境配慮型の地域復興に資する地域の環境資源、エネルギー資源を活用した環境創生のモデル事業の設計手法を開発する。技術と社会制度を組み合わせたシナリオを構築してその実現による環境面、社会経済面での効果を評価するとともに、社会モニタリングシステムの開発・構築を通じてその検証を進め、持続可能な地域社会を目指した体系的な施策を提案する。これらを通じて、多角的観点から持続可能な復興地域の将来目標・ロードマップを定量的に提案し、またその社会実装を通じて科学面から復興に貢献する。
《研究の性格》
主たるもの:技術開発・評価
従たるもの:
《全体計画》
 福島県浜通り地域を中心に福島県を対象とした復興まちづくり支援研究を展開するとともに、生活や環境面での復興の効果等を定量化し、持続可能な地域社会を目指した体系的な施策を提案する。
 具体的には以下の3つの課題に取り組む。

PJ1 環境創生の地域情報システムの開発
 復興の進捗と地域の発展ポテンシャルを県レベルからサイト・スケールで把握するデータベースを開発するとともに、データベース情報を元に将来推計を行う分析モデルを開発して将来の復興目標の設計とそこへ到達するシナリオの構築を行うとともに、データベース情報とモデル分析結果を地域の住民、事業者、地方公共団体の担当者地域主体に提示できる情報インタフェースを開発する。具体的には2年をめどに福島県内の環境情報、社会経済情報と復興事業や低炭素事業、資源循環事業の立地ポテンシャル等を体系的に集約する「地域空間データベース」の作成を開始する。また、復興自治体における市町村単位でのマクロな人口・経済・産業構造・エネルギー需給等の長期的変化の推計と地域の将来の復興目標実現に必要な技術・施策の組み合わせを定量的に分析する「地域統合評価モデル」を開発する。5年をめどに、「地域空間データベース」と「地域統合評価モデル」を併せて用いることにより、福島県内の地域・自治体において将来の復興目標や持続可能社会に向けた目標等の設計とそこへ到達するシナリオと達成のための技術・施策のロードマップを構築する。また、構築したシナリオを関係者とともに議論し再構築する双方向的・反復的な過程により、より地域のニーズに適合した分析を行うことのできるシナリオ構築手法を提案する。これらを通じて、地方自治体を対象に環境に配慮した復興と長期的に持続可能な発展を目指すための計画及び施策体系の定量的な策定手法の提案と、実現に向けた社会実装に貢献する。

PJ2 環境創生の地域シナリオ解析モデルの開発
 自然エネルギーや熱電エネルギー併給システム、コミュニティ・エネルギーマネジメントシステム等に関する要素技術のインベントリに基づき、地域特性に応じて適正な技術・施策を同定可能な「技術・施策アセスメントシステム」を開発するとともに、復興自治体の拠点事業の計画検討への適用を通じて有効性の検証と利便性の向上を進める。具体的には、2年を目途にPG2PJ1で開発する「地域統合評価モデル」から得られる将来人口及び産業活動等をもとに、福島県浜通り北部地域を対象として要素技術のインベントリ整備と「技術・施策アセスメントシステム」開発を進める。5年を目途に、「技術・施策アセスメントシステム」を改良して、福島県内の自治体における先導的な復興拠点事業から得られる知見の他地域での有効性を分析できるようにする。これらを通じて、先導的な復興拠点事業の知見から、将来の被災地における持続的な復興ロードマップを計画できる拠点展開型(フォアキャスト)のアセスメントシステムを構築し、福島県における自治体の環境配慮型の地域復興計画策定等に貢献する。

PJ3 参加型の環境創生手法の開発と実装
 これまで新地町で展開してきた情報通信技術(ICT)を用いた双方向型の「地域環境情報システム」をもとに、生活環境情報を蓄積して地域の生活環境に関する情報発信を可能とするシステムへ改良・開発を進めるとともに、システムを用いたステークホルダー間における社会コミュニケーション・協働の方法を確立する。具体的には、2年をめどに復興地域で開発してきた「地域環境情報システム」を改良し、生活の省エネルギーやエネルギー利用の効率化、地域コミュニティ情報、地域環境情報などを可視化できるようにするとともに、システム利用によって誘引される環境配慮型行動の分析を実施する。3年をめどに、「地域環境情報システム」を用いて環境情報の提供による環境配慮型行動への影響を住民の各種行動特性の結果を用いて分析し、双方向型の環境行動解析研究の手法を確立する。5年をめどに、PG2PJ1の課題の成果とPG2PJ2の課題の成果とも統合して、「地域環境情報システム」を用いた拠点開発事業の事業計画検討を支援する社会実装プロセスについて検討する。これらを通じて、情報通信技術を活用した地域特性や多様な住民ニーズに応じた望ましい生活環境作り支援に貢献するとともに、地域の居住性評価と安全・安心の提供、コミュニティの絆づくりに貢献する。
《前年度の成果概要》
PJ1では人口、経済活動等の将来推計や、避難地域の情報等を地域データベースに追加してその拡充を継続した。また、地域統合評価モデルのうち、人口、建物エネルギー需要、農業等に関する要素モデルの開発を進めた。新地町等、福島県内の地域においてモデルを適用し、地域の将来シナリオの構築を開始した。
 PJ2では統合化のために検討に着手し、森林資源から持続的に木質バイオマスを利用するための上流から下流までのシミュレーションを行うためのモデル開発を継続し、パラメタリゼーションを行った。バイオマス生産・利活用にかかる調査、ヒアリングを行った。エネルギーシステムの最適化モデルに関しては、技術調査・データ収集等を通じ実用性を高め、地域全体の計画検討に対応できるようにモデルを拡張した。さらに、地域資源の利用促進が地域経済や雇用に与える波及効果を評価するためデータを収集した。これらを用いることで、新地町における復興計画の支援を継続するとともに、奥会津地域を対象として自然資源を活用した地域創生シナリオのプロトタイプを提示した。
 PJ3ではくらしアシストシステムのユーザインターフェースの改良や、マルチデバイス開発を行った。住民に対する講習会を実施し、課題点や更新の要望などの取りまとめを行った。地域ICT システムのデータを活用した生活環境評価のためのモデル構築の一環として、基礎データとなる市町村スケールの用途別エネルギー消費量や直接・間接CO2排出量を推計した。さらに、当該システムの今後の水平展開を進める上で、従前より電力計測機器の設置コストが課題であったため、電力会社が導入を進めているスマートメータと連携する新たな方法に提案し、システム構築に向けた検討を進めた。
《今年度の研究概要》
 復興自治体におけるマクロ(市町村)単位での人口・経済・産業構造・エネルギー需給等の長期的変化を推計し、これを基に、地域の将来の復興目標を定量的に算定してその実現に必要な技術・施策の組み合わせを明らかにする分析モデル「地域統合評価モデル」の一部を開発する。福島県浜通り北部地域を対象として、将来人口及び産業活動を、GISを活用して算定される建物ストックの時空間分布情報に応じてダウンスケールする手法を開発し、将来の人口分布や産業分布を予測する。福島県新地町において実証試験中の復興生活支援及び生活環境情報モニタリングのための「地域環境情報システム」の利用性及び情報共有等の機能の高度化する。この一環として、これまでの実証実験において専用のタブレット型携帯端末を前提に開発を進めてきた地域環境情報システムを、汎用的なPCやスマートフォンにより利用可能とするための機能更新することにより、利用性の向上と多ユーザーへのオープン化を実現する。

《外部との連携》
福島県環境創造センター、福島県新地町、三島町、東北大学大学院工学研究科、名古屋大学大学院環境学研究科
《課題代表者》藤田壮
《担当者》○藤田壮(社会環境システム研究センター),五味馨,増井利彦,藤井実,芦名秀一,大場真,戸川卓哉,肱岡靖明,松橋啓介,須賀伸介,平野勇二郎,中村省吾,亀山康子,森保文,一ノ瀬俊明,根本和宜,DOU YI,辻岳史
《キーワード(日本語)》
福島,復興,環境イノベーション,地域環境,地域モデル
《キーワード(英語)》
Fukushima,Reconstruction ,Green Innovation,Local Environment,Regional Model