研究課題詳細表示
《研究課題コ−ド》1620AA012
《研究課題名(日本語)》気候変動予測・影響・対策の統合評価を基にした地球規模の気候変動リスクに関する研究
《研究課題名(英語)》Studies of global climate risks based on integrated assessment of climate change projections, impact and response options
《開始/終了年度》2016〜2020
《研究概要》
 全球規模の気候予測モデル(地球システムモデル)、人間活動を含む陸域諸過程の影響予測モデル(土地利用、水資源、生態系等の統合モデル)、社会経済シナリオの描出と対策評価のモデル(統合評価モデル)をより密接に結びつけた包括的なモデル研究体制を構築し、自然システムと人間・社会システムの間の相互連関・整合性に留意した、対策の波及効果も含む気候変動リスクの総合的なシナリオを描出する。具体的には、3年程度で気候予測モデル、影響評価モデル、対策評価モデル間のモデル結合もしくは統合的な利用を検討、実施し、気候予測、影響、社会経済シナリオと対策実施の効果をそれぞれ他のモデルにフィードバックできる包括的なモデル研究体制を構築するし、5年を目途に、これを用いて気候変動対策の波及効果も含む全球規模の気候変動リスクの総合的なシナリオを描出する。
 これらを通じて、社会の様々な主体との対話を促進することにより、パリ協定で合意された2℃目標(及び努力目標としての1.5℃)の必要性と実現可能性に関する議論に資する。また、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書に向けた第6期結合モデル相互比較プロジェクト等の国際モデル相互比較及び国際的に組織化された総合的なシナリオ研究に貢献するとともに、2018年の出版が検討されている1.5℃目標に関するIPCC特別報告書に対して初期的な成果に基づき貢献することを目指す。
《前年度の成果概要》
 第6期結合モデル相互比較プロジェクト等の国際的なモデル相互比較に貢献するとともに、既存の気候モデル実験結果の解析を通じて予測の不確実性や過去の気候変動の解釈に関する研究を進めた。モデル結合に関しては、これまで開発してきた人間活動を含む統合的な陸域諸過程の影響予測モデル(土地利用、水資源、生態系、農業の統合モデル)を用いた実験の試行を行うとともに、このモデルと気候予測モデル(地球システムモデル)の結合について検討を開始した。また、影響予測モデルと対策評価のモデル(統合評価モデル)の統合利用と、それを用いた気候変動影響・適応策と緩和策の相互作用の評価を進めた。さらに、2℃目標(及び努力目標としての1.5℃)に対応して、これまで検討してきたリスク評価等の結果を総合的にまとめ上げるとともに、簡易気候モデルを用いたさらに幅広いリスク対応シナリオの検討や、土地利用シナリオ等の検討を進めた。
《今年度の研究概要》
 IPCC第6次評価報告書および1.5℃特別報告書へ貢献するために気候モデルを用いた数値シミュレーションを実施し、緩和策、適応策を検討する上で基盤となるデータを作成する。並行して、既存のシミュレーション結果を解析し、過去の気候変化の要因および将来予測の不確実性について理解を深める。また、気候安定化目標を達成するためのネガティブエミッションに関する空間詳細な土地利用シナリオを構築し、陸域生態系•水資源などの各モデルおよびそれらを統合した陸域統合モデルを用いてその持続可能性への影響を評価するとともに、陸域統合モデルと地球システムモデルとの結合にも着手する。さらに、影響予測モデルと対策評価モデル(統合評価モデル)の統合利用、最新の社会経済シナリオ(共通社会経済経路とその派生シナリオ)の応用を通じて、気候変動影響・適応策と緩和策の相互作用の評価を引き続き進めるとともに、全球排出経路モデルの高度化を行い、さらに幅広いリスク対応シナリオの検討も実施する。
《課題代表者》江守正多
《担当者》○江守正多(地球環境研究センター),花崎直太,横畠徳太,田中克政,山形与志樹,小倉知夫,塩竈秀夫,伊藤昭彦,高橋潔,増井利彦,肱岡靖明,藤森真一郎,青柳みどり,長谷川知子,ZHOUQIAN,高田久美子,村上大輔,廣田渚郎,SU Xuanming,高倉潤也,BOULANGEJULIEN ERIC STANISLAS,佐尾博志
《キーワード(日本語)》
気候変動リスク,気候変動予測,影響評価,統合評価
《キーワード(英語)》
climate risks,climate change projections,impact assessment,integrated assessment