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《研究課題コ−ド》1620AA051
《研究課題名(日本語)》世界及びアジアを対象とした持続可能シナリオの開発に関する研究
《研究課題名(英語)》Studies on development of global and Asian sustainability scenarios
《開始/終了年度》2016〜2020
《研究概要》
低炭素、資源循環、自然共生の各領域を対象とした課題解決の統合に加え、安全確保も考慮することが可能となる世界規模の統合評価モデルの構築の可能性について議論し、新たな統合評価モデル開発を行うことを第一の目的とする。また、開発した統合評価モデルを用いて、世界全体を対象とした持続可能シナリオの定量化を行うことを第二の目的とする。さらに、ダウンスケール手法の開発・適用を通じて、他のPJにおいても利用可能な空間解像での将来シナリオの提供を行うことを第三の目的とする。アジア全域もしくは主要国については、低炭素、資源循環、自然共生、安全確保を一貫性をもって考慮できる統合評価モデルの開発を行うことを第四の目的とし、世界シナリオと整合するとともに、各国の発展段階に対応した持続可能シナリオを定量的に開発することを第五の目的とする。
《前年度の成果概要》
世界を対象とした課題については、IPCC第6次評価報告書での利用を目指して開発が進められ、気候変動研究で分野横断的に用いられる、共通社会経済経路(SSP)と呼ばれる将来シナリオについて、世界の統合評価モデルと協力して定量化を行い、その結果を公表した。SSP はSSP1からSSP5という5つの異なる2100年までの代表的な社会経済シナリオで構成され、国立環境研究所はAIMモデルを用いて、SSP3のマーカーシナリオを提供した。SSP3は、今世紀中人口増加が続き、低経済成長で技術進展が遅く、非協調的な世界観に基づくシナリオであり、森林減少が続き、大気汚染物質の排出量が減少せず、温室効果ガス排出が増え続ける社会が定量的に描かれた。
また、世界を集約的な17地域で表した統合評価モデルにリンクできるグローバルな土地利用配分モデルを開発し、地球システムモデルが生態系サービス等の地球環境評価に使用できる空間的土地利用分布シナリオを、上記SSP シナリオについて作成した。ダウンスケーリングを実施した場合とそうでない場合の二酸化炭素排出量の比較から、ダウンスケーリングにより、農地と牧草地の拡大による炭素ストック密度の空間的分布と炭素排出の地域的異質性の適切な反映が可能になることが示された。
アジアを対象とした課題について、中国におけるオゾンによる健康被害評価に関しては、中国省別の応用一般均衡モデル、汚染物質の大気輸送- 化学モデル、健康影響モデルを統合して、中国におけるオゾンによる健康被害のマクロ経済への影響と大気汚染対策を通じたその軽減について定量化した。
《今年度の研究概要》
低炭素研究プログラムと連携しながら統合評価モデル開発、将来シナリオの定量化を行う。また、ダウンスケール手法をもとにしたアジアや国、都市等のシナリオの定量化とその共有を進める。さらに、低炭素以外の課題解決型研究プログラムと連携した統合評価モデルの可能性の議論を継続的に実施し、新たな統合評価モデルの第一版の開発計画を策定する。
《課題代表者》高橋潔
《担当者》○高橋潔(社会環境システム研究センター),増井利彦,青柳みどり,肱岡靖明,藤森真一郎,芦名秀一,金森有子,花岡達也,藤井実,藤野純一,岡川梓,長谷川知子,江守正多,花崎直太,横畠徳太,伊藤昭彦,南齋規介,永島達也,井上智美,角谷拓,五味馨,XING Rui,高倉潤也
《キーワード(日本語)》
持続可能性,統合評価モデル,シナリオ分析
《キーワード(英語)》
Sustainability,Integrated Assessment Model,Scenario Analyses