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研究成果(平成23年度)
《研究課題コ−ド》 1012AH006
《課題名》
長距離輸送大気汚染物質に起因する対流圏オゾンおよび酸性霧による森林影響
Effects on forests of tropospheric ozone and acid fog caused by long range transported air pollutants
《区分名》 AH 地環研
《担当者》
○清水英幸(地域環境研究センター),伊藤祥子
《キ−ワ−ド》
オゾン,酸性霧,森林衰退,ダケカンバ,長距離輸送
Ozone, Acid fog, Forest decline, Betula ermanii, Long range transport
《目的》
北海道東部の摩周湖外輪山では、ダケカンバなどの森林衰退が報告されているが、病虫害や風害等の状況証拠は無く、衰退原因として最近濃度上昇が認められる大気汚染物質の影響が指摘される。これまで月平均70ppb強のオゾンが確認され、また、pH3台の霧も報告されており、流跡線解析から長距離輸送された汚染物質の影響が示唆された。以上から本研究では、摩周湖外輪山で長距離輸送が原因と考えられるオゾンや酸性霧の現地調査を行い、化学的・気象的要因との関係を解明すると共に、衰退森林の質的量的変化について、現地調査や室内実験、モデル解析を合わせて評価する。
《内容及び成果》
 昨年度に引き続き、摩周湖周辺でダケカンバの衰退や、オゾン、ポテンシャルオゾンおよび霧に関する調査を進めた。春季(4〜6月)のポテンシャルオゾン濃度は40ppbを超えており、北海道東部としては比較的高濃度であった。また、改良霧採取装置を用いて1日ごと採取した霧試料から、摩周湖周辺では頻繁にpH3台の酸性霧が発生していた。今回、1977年および2008年の航空写真の解析から、衰退地域は主に南-西側の外輪山稜線付近に多いこと、外輪山外側斜面では樹木が衰退あるいは拡大している地域があり、過去30年で植生が変化していること、内側斜面は森林が維持され、外側斜面より安定した環境であること等が抽出された。一方、摩周湖の現地踏査の結果、外輪山南側斜面付近で概ね枯死木が確認されたが、摩周岳頂上〜摩周岳-外輪山稜線間に枯死木は視認されなかった。以上より、航空写真からの推定結果は、緩斜面では有効であるが、急斜面では誤分類を含むと思われ、更なる現地確認が必要であると考えられた。
《期間》 平成22〜平成24年度(2010〜2012年度)
《備考》
当課題は重点研究プログラム「東アジア広域環境研究プログラム」(4)-1.にも関連 共同研究機関:北海道立総合研究機構環境科学研究センター(野口泉、山口高志、酒井茂克) 研究協力機関:弟子屈町(渡邊忠、久保島康行)