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研究成果(平成23年度)
《研究課題コ−ド》 0911BC002
《課題名》
ブナ林域の総合モニタリング手法の開発と衰退リスク評価に関する研究
Studies on monitoring method development and decline risk assessment for beech forest region
《区分名》 BC 環境-公害一括
《担当者》
○清水英幸(企画部),伊藤祥子
《キ−ワ−ド》
ブナ林,総合モニタリング,衰退リスクマップ,水ストレス,オゾン,複合影響,丹沢山地,ブナハバチ
beech (Fagus crenata) forest, integrated monitoring, decline risk map, water stress, ozone, combined effect, Tanzawa Mountains, Fagineura crenativora
《目的》
近年日本各地で、わが国の冷温帯を代表するブナ林の衰退が確認され、問題となっている。そこで、衰退の顕在化、非顕在化に係わらないブナ林域の衰退度(健全度)の総合モニタリング手法を開発し、さらに、現在のブナ林域の衰退リスク評価を実施して、ブナ林衰退を予測し、その保全および再生の対策に役立てるための総合的研究を推進する必要がある。具体的にブナ林衰退が顕在化している神奈川県を主対象として、県試験研究機関等と共同で、野外調査、環境制御実験、モデル開発を一体とした総合的研究を推進し、ブナ林衰退機構究明のための研究を展開する。
《内容及び成果》
 ブナ林域における現地調査と総合モニタリング手法の開発に関しては、野外における植生と環境に係わる調査、特にオゾン、水ストレス、ブナハバチの計測を継続し、ブナ衰退度との関係を解析した。そして、全国レベルでも適応可能なブナ林域の総合モニタリング手法案を提示し、丹沢山地とその他のブナ林域数地点で試行し、その有効性・現実性を検証した。ブナの生理生態的特性解析によるブナ林衰退機構の解明に関しては、ブナ樹木に対する水ストレスとオゾンの長期複合実験を実施し、生理生態等多様な観点から単独・複合影響について解析した。水ストレスとオゾンの影響機作を解析したところ、両要因は顕著にブナの生育抑制を引き起こすが、独立的・相加的に作用することを解明し、ブナ林の衰退機構について考察した。ブナ林衰退地域の時空間解析とブナ林衰退分布モデル構築に関しては、現地調査データ等を加え、最新のブナ林衰退分布等の変化を時空間解析した。丹沢山地における衰退の年代変化と地域間の違いを示し、またオゾン影響の広域解析法を提示した。総合モニタリングによる衰退リスク評価とブナ林の保全対策に関しては、総合モニタリングの改良案を提示すると共に、衰退リスク評価手法を提示した。本成果を各地のブナ林域で実践することにより、モニタリング手法の検証と改良が可能になると共に、地域毎の問題点の解明と適応可能な保全対策の抽出ができ、全国的なブナ林域の保全対策に資する成果が期待される。
《期間》 平成21〜平成23年度(2009〜2011年度)
《備考》
当課題は重点研究プログラム「東アジア広域環境研究プログラム」(4)-1.にも関連 共同研究機関:神奈川県自然環境保全センター(山根正伸・相原敬次・谷脇徹・越地正)、?型共同研究(1012AH005)地環研等