NIES EIC TEST Database
研究成果(平成23年度)
《研究課題コ−ド》 0711BB569
《課題名》
タワー観測ネットワークを利用したシベリアにおけるCO2とCH4収支の推定
Estimation of CO2 and CH4 fluxes in Siberia using a tower observation network.
《区分名》 BB 環境-地球一括
《担当者》
○町田敏暢(地球環境研究センター),笹川基樹,Maksyutov S.,佐伯田鶴
《キ−ワ−ド》
二酸化炭素,メタン,シベリア,タワー観測
carbon dioxide, methane, Siberia, tower observation
《目的》
本研究では世界の観測空白域の1つであり、今後の気候変動に対して脆弱であると危惧されているシベリア域において、タワー観測ネットワーク用いてトップダウンアプローチによる亜大陸規模のCO2とメタン(CH4)の収支分布とその年々変動を推定することが目的である。
《内容及び成果》
 全てのタワーサイトで2011年もCO2濃度に明瞭な季節変動を観測し、例えばKRSでは1月の日中平均は400 ppm、8月の日中平均は375 ppmであった(季節振幅25 ppm)。西シベリアのタワーサイトにおけるCH4濃度は、1900 ppbを下回る事もまれで、年間を通して同緯度帯の沿岸地域におけるバックグラウンド大気レベルを大きく上回った。
 BRZタワー上空(〜3 km)のCO2鉛直分布の長期データ(2002〜)をタワー観測の値と比較して解析を行った。各航空機観測時に同時に測定した気象データ(気温・湿度)から境界層高度を決定した。夏季に高く(3 km前後)冬に低い(数百m)境界層高度の明確な季節変動をとらえた。境界層内と自由対流圏内でのCO2濃度はどちらも夏季に極小をとる季節変動を示したが、境界層内での季節振幅(30 ppm)は自由対流圏内の値(15 ppm)の倍であった。タワーの高高度のインレットで連続測定されたCO2濃度の日中平均値は、航空機で観測された境界層内の値とよく一致し、日中平均値であれば、タワーの観測値が境界層内の代表的な値を示すことが確認された。
 3次元大気輸送モデル(NIES-TM)をベースにしたインバージョンモデルを用いてシベリア域におけるCO2の放出・吸収量を推定した。北方ユーラシアにおけるCO2フラックスは、NOAAによる地上観測データのみを使用した場合には-0.56 ± 0.79 GtC/yrと見積もられたが、本研究のタワー観測と航空機観測で得られたデータを加えると推定値は-0.35 ± 0.61 GtC/yrとなった。
《期間》 平成19〜平成23年度(2007〜2011年度)
《備考》