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研究成果(平成23年度)
《研究課題コ−ド》 1112CD005
《課題名》
ヒト肝癌細胞株におけるヒ素のエピジェネティクス作用を介した発癌メカニズムの解析
Studies on the epigenetic mechanism of arsenic carcinogenesis on human liver cancer cell line
《区分名》 CD 文科-科研費
《担当者》
○鈴木武博(環境健康研究センター)
《キ−ワ−ド》
ヒ素,エピジェネティクス
Arsenic, Epigenetics
《目的》
ヒ素は長期間曝露で癌が発症することが知られている。ヒ素による発癌には、エピジェネティクス作用の関与が報告されているが、そのメカニズムは十分に解明されていない。INK4b-ARF-INK4a locusから発現する癌抑制遺伝子の不活化は発癌に極めて重要であると考えられている。本研究では、ヒト細胞株を用いてINK4b-ARF-INK4a locusから発現する癌抑制遺伝子を中心に、ヒ素による発癌に関するメカニズムを詳細に検討することを目的とした。本年度は、ヒトの細胞株でヒ素曝露によりINK4b-ARF-INK4a locusの遺伝子発現が変化する条件を決定する。ヒ素で発現に変化が見られた遺伝子について、エピジェネティクス作用に着目して発現調節メカニズムを検討する。
《内容及び成果》
 当初、ヒ素曝露によりp16INK4aが減少するという報告があったヒト肝臓癌細胞株を用いる予定であったが、報告の再現性が得られなかったため、実験計画に合致する他の細胞株の探索および曝露条件の検討をおこなった。その結果、ヒト尿路上皮細胞株において、ヒ素によりp16INK4aの発現が減少する曝露条件を決定することができた。細胞周期測定から、同条件のヒ素曝露でS期が増加していることを明らかにした。また、p16INK4aプロモーター領域において転写抑制型のヒストン修飾であるH3K9ジメチル化のレベルがヒ素曝露で増加することがわかった。したがって、ヒ素によりプロモーター領域のH3K9ジメチル化レベルが増加することでp16INK4aの発現が減少し、細胞周期が進行している可能性が示唆された。
《期間》 平成23〜平成24年度(2011〜2012年度)
《備考》