
| 《研究課題コ−ド》 1014BX001 |
| 《課題名》 | |
| 農薬による生物多様性への影響調査 BIodiversity impacts caused by pesticides |
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| 《区分名》 BX 環境-その他 | |
| 《担当者》 | |
| ○五箇公一(生物・生態系環境研究センター),早坂大亮 | |
| 《キ−ワ−ド》 | |
| 農薬,生物多様性,群集,生態毒性,メソコズム,OECD pesticide, biodiversity, community, ecotoxicology, masocosm, OECD |
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| 《目的》 | |
| 現在、農薬の使用が農地内外の生物多様性にどのように影響を及ぼすかについて適切に評価し、その影響を軽減する手法の開発が求められている。この実現には、まず農薬による生物多様性への影響を科学的・定量的に評価する手法の開発が求められる。 そのため、本事業においては、農薬による農地内外の生物多様性への影響について、メソコズム試験を通じて科学的かつ定量的に評価するための手法を開発すること等を目的に、メソコズム試験の具体的な実施方法やその評価方法を検討するための基礎的調査を行う。 |
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| 《内容及び成果》 | |
| 水田メソコスム試験において、薬効・作用特性が類似しながら、化合物の物理化学的性状(水溶解度・土壌吸着性)が異なる2剤イミダクロプリドとフィプロニルを用いて、薬剤の環境中動態を調べた。その結果、水溶解度が高いイミダクロプリドは、水中における濃度が施用直後に急速に上がるが、その後、水中光分解によって、1週間以内に1/10以下に濃度が下がることが判明した。一方、土壌中濃度は、100日間安定した状態であった。それに対して土壌吸着性が高く、水溶解度の低いフィプロニルは、水中濃度は、施用時から低く、10日以内に検出限界以下になった。土壌中濃度にも空間的なばらつきがあり、土壌吸着性が強いため、環境中の移動は極めて小さいことが示唆された。水中生物に対する影響にも2剤間で差が認められ、イミダクロプリドは、プランクトンおよび底生生物に長期にわたって影響が認められた。一方フィプロニルについては、プランクトンおよび底生生物に対する影響は低かった。ただし、感受性が高いトンボの幼虫など徘徊性昆虫類には長期的な影響が示された。以上の結果から、農薬の物理化学性状によって、水生生物に対する影響の表れ方に差が生じることが明らかとなった。 止水メソコスム試験においては、同じく、物理化学性状および作用特性が異なる殺虫剤2剤、イミダクロプリドおよびBPMCを対象として、投与濃度を変化させることで、水生生物群集構造に対する影響の表れ方の違いを定量的に評価した。その結果、いずれの剤も高濃度で、プランクトンに対して強い影響を示し、濃度が下がるとともに影響が小さくなる、濃度反応が計測できた。また底生生物に対する影響はイミダクロプリドで強く示され、薬剤間の群集構造への影響の差も確認できた。 |
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| 《期間》 平成22〜平成26年度(2010〜2014年度) | |
| 《備考》 | |