
| 《研究課題コ−ド》 0911CD001 |
| 《課題名》 | |
| 文理融合に基づく淡水生態系の生物多様性保全・管理手法の開発 Developing management methods for freshwater ecosystems based on an interdisciplinary approach |
|
| 《区分名》 CD 文科-科研費 | |
| 《担当者》 | |
| ○高村典子(生物・生態系環境研究センター),今井葉子 | |
| 《キ−ワ−ド》 | |
| 生物多様性,保全,池 biodiversity, conservation, ponds |
|
| 《目的》 | |
| 日本の灌漑用ため池は、生物多様性の宝庫で、淡水域の生物資源の保全の場として極めて高い価値を持つ。しかし、都市化や農業の衰退が進む現在、その環境も脅かされている。ため池の維持管理は社会的な営みであるため、その保全は自然科学と社会科学双方の知識を融合して実施することが望まれる。そこで、まず、自然科学の手法でリスク因子や生物間相互作用を明確化し、さらに社会科学の手法で人々の選好を探り、双方の知識を融合して、淡水域の生物多様性の効果的な保全・管理に有効な手法の開発を目指す。 | |
| 《内容及び成果》 | |
| ため池の生態系サービスの価値を経済的に評価することを目的として、アンケート調査を実施した。調査は2012年1月に実施し、一般市民845名、農業従事者429、計1274名から回答を得た。 評価手法として、仮想評価法(contingent valuation method:CVM)を用いた。農業の衰退や都市化により、ため池の数が減少したり、適切な管理が行われないため池が増えたりすることで、10年後に全国のほとんどのため池で生態系サービスが大幅に低下し、絶滅危惧種や希少種の大半が姿を消す状況を回答者に想像してもらったうえで、そのような状況を回避するためにどれだけの負担をしてもいいと思うかを尋ねた。負担の形態として、ため池保全に取り組むNPOやボランティアを支援するための寄付(金銭的負担)に加え、ため池保全のためのボランティアへの参加(労働の提供)を用いた。 どのような人がため池の生態系サービスの価値を高く評価するかを明らかにするため、回答者の個人属性、環境意識、ため池との関わりなどとWTPおよびWTWとの関係を分析した。その結果、一般市民については、自宅から徒歩圏内にため池がある人、ため池に行ったことがある人、自然や環境問題に関するテレビ番組をよく見る人、ボランティア・募金・献血などをよくする人は、それぞれそうでない人よりもWTPが高いこと、男性よりも女性の方が、WTPが高いこと、所得が高いほどWTPが高いことなどが確認された。また、自宅から徒歩圏内にため池がある人、ため池に行ったことがある人、自然や環境問題に関するテレビ番組をよく見る人、ボランティア・募金・献血などをよくする人、つり・ハイキング・キャンプなどのレクリエーション活動をよくする人、花や植物を育てたり、ペットを飼ったりしている人、ボランティア・募金・献血などをよくする人は、それぞれそうでない人よりもWTWが高いこと、小学生以下の子供の人数が多いほどWTWが高いことなどが確認された。 農業従事者については、自然や環境問題に関するテレビ番組をよく見る人は、そうでない人よりもWTPが高いことなどが確認された。また、自宅から徒歩圏内にため池がある人、自然や環境問題に関するテレビ番組をよく見る人、つり・ハイキング・キャンプなどのレクリエーション活動をよくする人、花や植物を育てたり、ペットを飼ったりしている人は、それぞれそうでない人よりもWTWが高いこと、所得が高い人ほどWTWが低いことなどが確認された。 |
|
| 《期間》 平成21〜平成23年度(2009〜2011年度) | |
| 《備考》 | |
| 柘植隆宏(甲南大学)西川潮(新潟大学) | |