
| 《研究課題コ−ド》 1115AQ010 |
| 《課題名》 | |
| 海洋島における外来生物の駆除が生態系の物質循環を介して在来種に与える影響 Effects of expulsion of invasive species on native species via material cycle in oceanic island ecosystems |
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| 《区分名》 AQ センター調査研究 | |
| 《担当者》 | |
| ○吉田勝彦(生物・生態系環境研究センター) | |
| 《キ−ワ−ド》 | |
| 外来種,物質循環,生態系モデル,海洋島の生態系 alien species, material cycle, ecosystem model, ecosystem on oceanic islands |
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| 《目的》 | |
| 小笠原諸島はこれまで一度も大きな陸地とつながったことがないため、多くの固有種を含む独特の生態系が発達している。しかし外来種の影響で多くの固有種が絶滅の危機に瀕しているため、現在外来種の駆除事業が行われている。外来種の中には、すでに在来種と密接な関わりを持って大繁殖してしまったものもおり、それらを駆除すると生態系の物質循環が大きく変化し、それを介して在来種に悪影響がでることが危惧される。そこでその影響を評価するため、島の生態系の物質循環を再現するシミュレーションモデルを開発し、外来種を駆除するコンピュータシミュレーションを行い、外来種を駆除した後に、生態系は元の状態に回復していくのか、かえって駆除前よりも個体数を減らすような在来種は出てこないか、を予測する。また、影響を受けやすい在来種の性質を明らかにし、島の生態系の保全施策策定に貢献する。 | |
| 《内容及び成果》 | |
| 外来ヤギを駆除した場合、島は植物で覆われることになるが、海鳥の多様性はあまり回復しなかった。ネズミだけを駆除した場合、植生の回復は遅れ、在来草本植物の多様性が減少した。ヤギとネズミを同時に駆除すると、植生は劇的に回復し、在来の動物のバイオマスは劇的に回復するが、在来植物の多様性が減少した。ネズミに対する駆除努力量が小さく、駆除前後でネズミのバイオマスが変化しない場合、草本植物の多様性が大きく減少した。この結果は、不十分な駆除努力はかえって生態系に悪影響を与えることを示している。ネズミに対する駆除努力の継続期間が長くなるほど、駆除努力を中止した場合に、草本植物の絶滅の規模が大きくなることが明らかとなった。 | |
| 《期間》 平成23〜平成27年度(2011〜2015年度) | |
| 《備考》 | |
| 科学研究費補助金「海洋島における外来生物の駆除が生態系の物質循環に与えるインパクト」(課題代表者 可知直毅(首都大学東京)) | |