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研究成果(平成23年度)
《研究課題コ−ド》 0911AG007
《課題名》
胚様体を用いた発生分化毒性学に特化したマトリックスの開発
Development of basement membrane substrata customized for developmental toxicology by high throughput screening in vitro in use of embryoid body
《区分名》 AG 特別研究
《担当者》
○曽根秀子(環境リスク研究センター),赤沼宏美
《キ−ワ−ド》
発生毒性,胚葉体,細胞外マトリックス
developmental toxicology, embryonic body, extracellular matrix
《目的》
マウス及びヒトES細胞を用いて、種々の組織に分化誘導する研究が、世界中で活発に行われている。この分化誘導の過程は、発生の過程全てを代表するものでは無いが、毒性学の立場から発生分化に対する健康影響を検討する際には有力な研究手段になり得る。しかしながら、培養に用いられている市販の細胞外マトリックスは、上記目的に適しているとは云えず、不安定な培養条件下での実験となっている。本研究は、上記目的に最適化したマトリックスを開発することで、分化誘導の過程を再現性良く、精密に制御することを可能にし、毒性研究に有力な手段を提供することを目指す。すなわち、マウス及び ヒトES細胞から作製した胚様体(EB)を、神経及び血管内皮細胞に、効率良く分化誘導、機能成熟させるための細胞外マトリックス及び分化培養条件の確立を検討する。
《内容及び成果》
 本年度は、胚性幹細胞を用いたin vitro毒性試験の確立のために、神経系分化と血管内皮分化の二つの系について、それぞれ、再現性の高い胚様体形成の実験条件、神経と血管内皮の前駆体細胞の形成時期のマトリックスの選定とそれに合致した培養条件の検討を行なった。そして、現時点で最適と思われるマトリックス及び培養条件を選定して、ビスフェノールA、4OH水酸化PCBなどの環境化学物質について、影響評価を行った。その結果、神経分化の系においては、マウス胚性幹細胞とヒト胚性幹細胞について、ラミニン511を主に産生する細胞rLN10とシンデカンを主に産生する細胞rSN2から作成した細胞外マトリックスの有用性を調べた。その結果、マウス及びヒトの胚様体から神経分化には、rLN10細胞由来のマトリックスが有効であることを明らかにした。さらに、血管内皮細胞の分化能へのマトリックス選択も検討した。しかし、陽性対照として用いたIV型コラーゲンやフィブリノーゲンよりも分化効率のよいマトリックスは見出せなかった。毒性試験においては、ある程度のハイスループット化が必要である。そのためには、今後、マトリックスの更なる均一化、薄層化が必要と思われた。
《期間》 平成21〜平成23年度(2009〜2011年度)
《備考》