
| 《研究課題コ−ド》 0911AG001 |
| 《課題名》 | |
| 資源作物由来液状廃棄物のコベネフィット型処理システムの開発 Development of co-benefits treatment system of liquid-waste derived from crop resource |
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| 《区分名》 AG 特別研究 | |
| 《担当者》 | |
| ○珠坪一晃(地域環境研究センター),冨岡典子,蛯江美孝,徐開欽,小野寺崇,水落元之 | |
| 《キ−ワ−ド》 | |
| 資源作物,コベネフィット,温室効果ガス,廃液処理,メタン発酵 Crop resource, Co-benefits , Green house gas, Wastewater treatment, Methane fermentation |
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| 《目的》 | |
| 東南アジアを中心とする地域には、資源作物(サトウキビ、パームヤシ等)の生産が集中しており、それらを原料とした製品(砂糖,パーム油)の製造・加工工程(バイオ燃料の生産を含む)からは、高有機物濃度の液状廃棄物(廃液)が多量に排出される。現状、その殆どが開放型の池(安定化池)で放置され、メタン等の温室効果ガスの発生と水環境汚染の要因となっている。本研究開発では、これらの資源作物由来廃液(主として糖蜜系バイオエタノール廃液)の適切処理技術(メタン発酵を中心とする創・省エネ処理技術)の開発により、温室効果ガス発生抑制、エネルギー回収、水環境保全等を実現化するコベネフィット型処理技術の確立を目指す。 | |
| 《内容及び成果》 | |
| 糖蜜系廃液のメタン発酵処理技術の実用化上必要な無希釈での処理に対する基礎知見を得るため、異なる廃液希釈条件下でのメタン発酵特性を評価した。廃液のメタン発酵処理試験は、酸生成槽と気固液分離装置を多段に備えたメタン発酵槽を組み合わせたラボスケール装置を用い35℃条件下において行った。また後段処理としては、UASB法と好気性ろ床を組み合わせた処理システムを用いた。その結果、流入COD濃度45 gCOD/L条件下(3倍希釈)では有機物容積負荷45 kgCOD/m3/dayを許容するが、流入COD濃度の増加に伴い許容可能な有機物負荷は徐々に低下し、流入120 gCOD/L時(無希釈)には15 kgCOD/m3/dayとなった。負荷低減の主要な要因は、廃液に含まれるカリウムによる嫌気性微生物への阻害(活性低下)であり、高濃度カリウム含有廃液の処理では、メタン生成細菌のみならず、酸生成細菌への阻害も生じる事が明らかになった。なお最終的な処理水質は、T-BOD 25 mg/L, T-COD 1,300-1,800 mg/Lであり、良好な有機物除去性能を示した。また、提案する処理システムのエネルギー収率について試算を行ったところ、熱基準で30倍以上、電力基準で10倍以上の収率を達成し、処理に伴うエネルギーの循環利用が効率的に行える事が分かった。最終処理水については、色度成分や残存COD成分を含むため、処理液の循環利用法としてサトウキビへの液肥としての利用効果と、廃液散布時の畑地からの温室効果ガスの発生量の評価をタイの試験圃場において行った。その結果、処理液はサトウキビの液肥として利用可能であること、畑地からの温室効果ガス発生量は既存の安定化池(廃液処理に利用)と比較して大きく抑制されることが明らかになった。以上の結果より、提案処理システムは、優れた有機物除去効率、エネルギー回収効率、温室効果ガス発生抑制効果を示し、糖蜜系廃液の循環型処理・利用の基礎を本研究を通じて確立することが出来たといえる。 | |
| 《期間》 平成21〜平成23年度(2009〜2011年度) | |
| 《備考》 | |