
| 《研究課題コ−ド》 1011NA001 |
| 《課題名》 | |
| マルハナバチの巣内遺伝構造と性比をめぐる女王・ワーカー間の対立関係の解明 Genetic structure and queen-worker conflict over sex ratio in bumblebees |
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| 《区分名》 NA 寄付 | |
| 《担当者》 | |
| ○井上真紀(生物・生態系環境研究センター) | |
| 《キ−ワ−ド》 | |
| 外来生物 alien species |
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| 《目的》 | |
| 1回交尾は、真社会性昆虫において祖先的形質とされている。一方、多回交尾はコロニー内血縁度が低下するだけではなく、メスにとってコストとなるため、多くの分類群でみられるものの一般的ではない。マルハナバチは多くの種で1回交尾であり、近年分断性比であることが報告された。しかしこれら先行研究は、野外で採集した女王を室内で営巣させたコロニーを用いており、室内飼育コロニーが野外での繁殖様式を再現しているかは不明である。本研究では、マルハナバチの野生巣を用いて、個体群内およびコロニー内遺伝構造の解析を実施し、交尾回数および血縁度を解析し、コロニー間における血縁度不均衡の有無や分断性比の要因を解明することを目的とする。さらに、野生化したセイヨウは、工場で累代飼育されており、人為的選抜を受けていると考えられる。そこで在来種の採集コロニーにおいても同様の分析を実施し、セイヨウの侵略性に寄与する生態特性を明らかにする。 | |
| 《内容及び成果》 | |
| マイクロサテライト遺伝子マーカーを用いて遺伝解析を実施した。 (1)女王の受精嚢の精子DNAの遺伝子型から父系を推定した。その結果、10巣のうち2巣で2型、8巣で1型であった。 (2)18巣において、ワーカーの遺伝子型からMatesoftを用いて女王の遺伝子型を推定し、交尾回数を算出した。交尾回数は、1〜8回、平均2.78±0.55回であった。また、有効交尾回数は、2.18±0.39回であった。 (3)18巣のうち、創設女王を有する11巣において、女王およびワーカーの遺伝子型から交尾回数を算出した。交尾回数は、1〜4回、平均1.91±0.31回であった。また、有効交尾回数は、1.23±0.14回であった。 原産地では、セイヨウオオマルハナバチの交尾回数は1回であることが報告されており、いずれの推定値も原産地より大きかった。この理由として、 (1)商品化の過程における人為選抜の結果である可能性、 (2)異種間交尾により繁殖阻害が起きるため、1回交尾より多回交尾が選択された結果である可能性が示唆された。 |
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| 《期間》 平成22〜平成23年度(2010〜2011年度) | |
| 《備考》 | |
| 共同研究者:土田浩治(岐阜大学)、五箇公一(国立環境研究所) | |