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研究成果(平成23年度)
《研究課題コ−ド》 1011AG001
《課題名》
都市沿岸海域の底質環境劣化の機構とその底生生物影響評価に関する研究
Deterioration of sedimentary environment and assessment of its impacton benthic fauna in coastal sea close to urbanized area
《区分名》 AG 特別研究
《担当者》
○牧秀明(地域環境研究センター),中村泰男,東博紀,金谷弦,越川海
《キ−ワ−ド》
都市沿岸海域,底泥環境,底生生物,硫化物
urbanized-coastal sea, sediment, benthos, sulfide
《目的》
都市沿岸海域では貧酸素水塊よる底質環境の劣化が進行し、底生生物の生息に甚大な影響を与えている(現行の貧酸素特研による知見)。これを受け、新規特別研究では、貧酸素水塊の形成に伴い底質環境中に発生し、生物に高い毒性を示す硫化物に着目して研究を展開する。すなわち、硫化物の形成・水柱への供給過程と、底生生物におよぼす影響を、現場調査・室内実験、および数値シミュレーションにより明らかにし、底質環境の改善に資することを目指す。
《内容及び成果》
 東京湾奥部での定点観測において、従来測定されている底泥のAVSに比べて本特研で測定している間隙水中の遊離硫化水素は明確な季節間・地点間変動を示し、底生動物の生息環境としての底質の劣化をより適性に表す指標であることがわかった。
 また底泥の酸素消費速度に影響をおよぼす因子として、調査定点中最も水深があり(15〜16 m)、過酷な貧酸素水塊に見舞われ、粒度の細かい還元的な状態の底質環境では、底泥間隙水中に蓄積された硫化水素が底泥が巻き上げた時に酸化を受け酸素消費に寄与し、逆に浅い調査定点で粒度の粗い底質環境では、間隙水中に蓄積した硫化水素が不攪乱の状態で直上水に拡散することで酸素消費に寄与し、攪乱した場合には有機物が酸素消費に寄与していることが示された。
 京浜運河の大井人工干潟(品川区)でにおいて底生動物の餌利用を安定同位体比から推定した。その結果、同干潟では「栄養塩→微細藻類→底生動物」という食物連鎖が重要であり、底生動物が栄養塩の一時的貯蔵体(シンク)として機能していることが示唆された。
《期間》 平成22〜平成24年度(2010〜2012年度)
《備考》