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研究成果(平成23年度)
《研究課題コ−ド》 1115AA071
《課題名》
都市の環境技術・施策システムの評価と社会実証プロセスの構築
Evaluation system of environmental technologies and policies and its societal implementation process
《区分名》
《担当者》
○藤田壮(社会環境システム研究センター),一ノ瀬俊明,藤井実,平野勇二郎,孫穎,水落元之,珠坪一晃,岡寺智大,大場真
《キ−ワ−ド》
環境都市,エコタウン,地域循環圏,静脈メジャー
Eco-City, Eco-town, Circular Region, Venous Industry
《目的》
国内とアジアの都市を対象として、人間活動の特性とともにそこから発生する環境汚染の環境資源への影響をふまえ、社会実証研究を通じて環境負荷の低減と社会経済の改善を同時に実現するコベネフィット型の技術の開発と、技術群と施策をパッケージとして組み合わせる環境ソリューションシステムを構築して、その計画システムおよび評価方法論を開発することを目的とする。環境シミュレーションとの連携により、環境技術を含む拠点的な「環境開発」にむけた信頼性の高い計画システムを提供し、計画の実現による環境負荷の削減を定量化できる評価理論の体系を提供する。具体的な都市における技術・施策の実証研究とともに、技術システムに加えて実装によりその効果を高めることのできる運用や制度施策の設計とその事業展開プロセスの構築、および効果の評価を行う。
《内容及び成果》
(1)温暖化対策や資源循環という地球・広域への環境貢献を地域の環境改善につなげるコベネフィット型の都市の姿を動的に描くモデルと手法の開発を進めた。具体的には川崎市の臨海部を対象に複数のシナリオを設計して、低炭素や資源循環と地域の活性化を実現する空間構造を見定めて、そこへ導く技術と政策手段を明らかにした。地理情報システムを活用する都市の空間データベースとともに、施策のインベントリおよび技術の定量的情報を産官学連携で構築して、環境都市構築の効果のケーススタディとしての算定を行った。国内都市については名古屋大学、アジア都市については中国科学院および国際連合大学との連携を進めた。これらの研究成果の一部は、環境省の温暖化対策地方実行計画マニュアル策定の準備検討や、国土交通省の長期国土構想、内閣府の環境モデル都市、環境未来都市、総合特区の検討に反映された。
(2)中国瀋陽市を対象とする研究では、個別の資源循環や低炭素技術システムを地域条件に合わせて再構築する「リエンジニアリング」プロセスや、回収・分別を含む社会制度パッケージの定量的設計プロセス開発を進めた。中国科学院及び瀋陽大学、瀋陽市政府関連部局との連携体制を構築して都市環境情報データベースと技術・制度のシミュレーションを行った。その結果、日本型の分別回収と産業施設での代替利用による、有機廃棄物の再生利用による低炭素効果を定量化することができた。
(3)アジアで必要な省エネルギーで建設及び運転管理コストの安い水処理技術について、タイ・バンコクでパイロット実証試験を現地の行政機関およびキングモンクット工科大と共同して行った。現地における建設・運転管理コストおよび想定される処理規模の制約条件からスポンジを担体に用いた散水ろ床法を開発対象技術として、タイのバンコク都下廃水部およびキングモンクット大学との間に共同研究協定を結び、実証試験をバンコク市のThungkru 下水処理場で実施することで合意した。また、実証試験結果の他地域への広範な普及および適応性評価のために、コンケン大学、アジア工科大学等との研究ネットワーク作りに着手した。
(4)中国瀋陽市が立地する遼寧省の経済活動に伴う水需要、汚濁負荷排出量、エネルギー消費量、CO2排出量のインベントリを作成した。また、これらのインベントリに基づき、遼寧省のウォーターフットプリントおよびカーボンフットプリントを評価した。遼寧省では生産活動による水資源消費を把握して、内43%が域外で間接消費される(Virtual water export)。また、Virtual water exportの63%は国内貿易に起因する。一方で、遼寧省内の水資源消費の32%に相当する水(External Water Footprint)を域外に誘発する構造にあり、その内77%は他省の水資源に依存していることが明らかになった。
《期間》 平成23〜平成27年度(2011〜2015年度)
《備考》