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研究成果(平成23年度)
《研究課題コ−ド》 0811AG001
《課題名》
湖沼における有機物の循環と微生物生態系との相互作用に関する研究
Cycling of organic matter and its interactivity with microbial ecosystem in lake
《区分名》 AG 特別研究
《担当者》
○今井章雄(地域環境研究センター),小松一弘,高津文人,川崎伸之,林誠二,冨岡典子,野原精一,佐野友春,佐藤貴之,岩崎一弘
《キ−ワ−ド》
湖沼,溶存有機物,難分解性DOM,有機物循環,微生物生態系
lake, dissolved organic matter, recalcitrant DOM, organic matter cycling, microbial ecosystem
《目的》
湖沼において有機物と微生物生態系(バクテリア)等の相互作用を評価する。長期モニタリングデータ(組成、分子サイズ、同位体比等)解析から、湖沼流域における有機物の循環とDOMの難分解性化メカニズムを明らかにする。流域河川流出モデルと生態系を考慮した湖内3次元モデルを組み合わせて、湖内の特定地点において、流域の個々の特定発生源や湖水域毎の内部生産源からの寄与を定量的に算定する。
《内容及び成果》
 溶存有機物(DOM)に対するバクテリアのバイオマーカーあるD-アミノ酸(D-アラニン等)を使って、湖水DOMへのバクテリア起源の寄与を算出する方法を開発した。結果、凍結保存サンプル(2003−2004年)のDOMと難分解性DOMのD-アミノ酸組成から、霞ヶ浦湖水DOMの40−50%がバクテリア由来であることが判明した。湖沼における有機物循環にバクテリアが大きな役割を果たしていることが具体的に示された。
 放射性同位体を使用しないブロデオキシウリジン法を用いて、霞ヶ浦10地点で3月、5月、8月、12月にバクテリアの二次生産速度を測定した。わが国の湖沼ではこの頻度での測定結果を報告した例はない。霞ヶ浦での二次生産速度は138−694 mgC/m3/dの範囲の値を示した。湖心や湖尻付近の値に季節変化は乏しかったが、多くの河川が流入する高浜入りや土浦入りで季節変化が顕著であった。
 間隙水中のDOMの分子サイズを全有機炭素(TOC)と紫外部吸光度(UV)検出のサイズ排除クロマトグラフィーによって測定した。どの深さにおいても、UV検出では分子量数千以下のピークしか検出できなかったが、TOC検出では分子量35,000以上にも大きなピークが検出された。従って、間隙水DOMの分子サイズに係る特徴は、UV吸収能をほとんど持たない高分子DOMが顕著に存在することと言える。
《期間》 平成20〜平成23年度(2008〜2011年度)
《備考》