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センター長挨拶

センター長挨拶...環境リスク研究センター

環境リスク研究センター長鈴木規之の写真

 近年はさまざまな技術革新によって人々の生活は大きく変わりました。しかし、どのような新しく高度な技術に囲まれていても、人間の、また環境の安全を保ち、健康な社会を作っていくことは常に最も重要な課題です。また、現代においては、地球規模の環境全体の中で安全の課題をとらえることがますます重要になってきています。環境リスク研究センターは、2001年に設置された化学物質環境リスク研究センターを前身とし、以来、化学物質の生態リスクと健康リスクを主要な研究分野として研究を進めてまいりました。環境から人が受ける可能性のあるリスクとその管理のあり方を明らかにすることは、国内外から広く求められています。国立環境研究所第3期中期計画では、今後予想される新たな課題への対応をも目指しつつ、「化学物質評価・管理イノベーション研究プログラム」を軸に、リスク評価・管理を進めるための基盤研究や環境施策に貢献する研究・調査事業、さらにリスク評価手法の研究基盤整備を一体として研究を推進しています。また、国際機関、関連団体等との連携を積極的に進め、中核的研究機関としての機能をさらに強化していきたいと考えています。社会や技術の進歩とともに、人と環境の安全を守るための課題も日々変化しています。私たちは、新たな課題に対応しつつ、基礎から応用にわたる総合的な取り組みによって、新しい社会の安全を保つために貢献したいと考えています。

平成27年4月1日
環境リスク研究センター長
鈴木 規之

ポリシーステートメント

ポリシーステートメント...環境リスク研究センター

平成25年4月

 環境リスク研究分野では、人の健康や生態系への有害な影響が生じるプロセスを環境リスクの観点から体系的に評価できる手法を見いだし、人の健康と生態系に及ぼす悪影響の未然防止に貢献していくことを目指しています。化学物質は、私たちの生活に欠かせないものですが、その中には人や環境への影響が懸念されるものもあります。化学物質の利便性を確保し、安全で安心できる社会を実現するためには、化学物質のリスクを科学的に評価し、情報・知識を共有することが重要です。第三期中期計画期間では、当面のターゲットとする環境リスク要因を化学物質に定め、多様な化学物質をライフサイクルを通じて包括的に管理するために必要なリスク評価手法の開発とデータの整備に関する研究を行います。農薬を含めた多様な化学物質の環境リスクを評価するために、排出量推定と数理モデル、及び、網羅的な分析や生物応答試験法等による曝露評価手法の開発・高度化を進めます。データギャップを補完する構造活性相関による化学物質の毒性予測手法や、有害性の作用機序に基づいて複合的曝露によるリスクを評価する手法の開発など、多数の化学物質の包括的な管理への活用を目指した研究を進めます。また、化学物質リスクの研究基盤として、生態影響試験に関する標準機関の機能と化学物質データベース等の整備・更新を進めます。さらに、震災・復興過程における環境リスクの把握、及び、化学物質のリスク評価等の政策支援を的確に実施します。

 「化学物質管理イノベーションプログラム」では、粒子状物質や内分泌かく乱物質など従来は影響評価が困難であった物質の人と環境への有害性評価手法を確立するため、必要な試験装置や手法の整備と開発を行います。粒子状物質については、その性状と標的臓器・細胞における分布・毒性との関連を明らかにするためのメカニズム研究を重点的に実施します。試験生物への毒性影響と生態影響との関連性を理論的解析により明確化し、内分泌かく乱作用などを統一的に評価し、生態系保全に活用できる新たな方法論の構築を進めます。さらに、高度化した多媒体モデルによる曝露評価と連携し、化学物質の空間分布、時間変動を考慮した生態リスクの評価手法を開発します。社会における化学物質のリスク管理のあり方に関する研究、及び、排出削減のコストとリスク評価における不確実性を考慮に入れた最適管理法の理論的研究を実施します。