「マイアミ宣言」

1997年に子どもの環境保健に関する先進8ヵ国の環境大臣会合が開催され、その会合において「マイアミ宣言」が採択された。これを機会に世界各国において、子どもの健康保護のための子ども環境政策の実施が緊急の課題とされた。「マイアミ宣言」においては、各国の環境大臣が自国の子どもの健康と環境保護に着手することに合意し(1)リスク評価および基準の設定(2)鉛のばく露低減のための活動計画(3)飲料水中の微生物の安全性確保(4)内分泌かく乱物質に関するインベントリーの作成及び毒性スクリーニング手法等の開発の推進(5)受動喫煙のリスクに関する情報共有と子どものばく露の削減に向けた教育戦略についての情報の収集(6)地球の気候変動による子どもの健康に対する影響への対応等、具体的な優先取組み分野が定められた。

・ばく露・・・化学物質や物理的刺激(健康に有害な要因)などに生体がさらされることをばく露という。

・内分泌かく乱物質・・・動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質を意味する。近年、内分泌学を始めとする医学、野生動物に関する科学、環境科学等の研究者・専門家によって、環境中に存在するいくつかの化学物質が、動物の体内のホルモン作用をかく乱することを通じて、生殖機能を阻害したり、悪性腫瘍を引き起すなどの悪影響を及ぼしている可能性があるとの指摘がなされている。

・インベントリー・・・原義は目録のこと。生物学では、ある地域に分布する生物の種類目録・分布図、あるいは目録を製作するための調査プロジェクトをさす。このインベントリー作成は、生物多様性を研究、保全、利用する上で最も基礎となるもので、全分類群のインベントリー作成は大変な労力と時間を必要とする。このため、分類学者など世界中の専門家が協力してインベントリー事業に取り組んでいる。

・スクリーニング・・・地球の環境特性や事業計画の内容などを踏まえて、発生する環境影響の予見を行い、環境アセスメントの実施が必要な事業かどうかの判断を行うこと(環境アセスメント・・環境に大きな影響を及ぼすおそれがある事業について、その事業の実施に当たりあらかじめその事業の環境への影響を調査、予測、評価し、その結果に基づき、その事業について適正な環境配慮を行うこと)。

・受動喫煙・・・たばこを吸わない人が、自分の意志とは関係なく様々な場所で、たばこの煙を吸わされていること。