村長よりご挨拶

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村長(センター長)よりご挨拶


白石 寛明

 (独)国立環境研究所の第2期中期計画の開始に伴い、研究所での研究活動は、重点研究プログラム、基盤的な調査・研究活動、知的基盤の整備に区分されました。環境リスク研究センターは4つある重点研究プログラムのうち、「環境リスク研究プログラム」を担う組織として位置づけられています。早いもので、第2期中期計画もその1/4の期間が終わろうとしています。来年早々にこのプログラムの中で現在進めている4つの中核プロジェクトの「中間評価」を受けることになります。


「環境リスク」イメージ挿絵

 「環境リスク」の使われ方はさまざまです。「リスク」は発生の確率である、有害性と曝露の掛け算である、リスクは決してゼロにはならない、・・・・・・など。また「リスク」は様々な用語と結合し、インターネット上では、(1)直接的なストレス要因との組み合わせ、化学物質リスク、電磁波リスク、放射線リスク、騒音リスク、酸性雨リスク、(2)影響の受け手との組み合わせ、健康リスク、発ガンリスク、生態系リスク、生態リスク、(3)現象との組み合わせ、生物侵入リスク、環境汚染リスク、土壌汚染リスク、砂漠化リスク、温暖化リスクなどたくさんの言葉がヒットします。リスクは「避けるべき事象が守るべき対象に発生する確率」であり、リスク評価は避けるべき事象を引き起こす要因とその大きさと事象の関係を明らかにすることです。要因、守るべき対象および避けるべき事象を限定しないまま「リスク」を用語として使うと、「リスク」を正確に伝える妨げとなります。たとえば、化学物質による環境リスクで使われる「環境リスク」は、化学物質によるヒトの健康と生態(の健康)への悪影響を意味する場合がほとんどです。


 環境リスクの研究として扱うことができる領域は環境汚染物質(亜硫酸ガス、窒素酸化物、オゾン、ディーゼル排ガス、PM2.5、重金属(カドミウム、水銀、ヒ素))、化学物質、農薬、物理的要因(騒音、紫外線、温熱、電磁場、爆発、など)など多岐にわたり、守るべき対象も人の健康、生態、経済、社会基盤など様々です。第2期中期計画の「環境リスク研究プログラム」では、人の健康や生態系に及ぼす有害な影響に焦点をしぼり、実態に即した調査あるいは実験に基づいて解明することにより、環境リスクを体系的に評価できる手法を見いだし、人の健康と生態系に及ぼす悪影響の未然防止に貢献していくことを使命としたいと考えています。


「環境健康リスク管理の枠組み」1997年 表紙より
「環境健康リスク管理の枠組」1997年表紙より

 「リスク評価およびリスク管理に関する米国大統領/議会諮問委員会」により1997年にまとめられた「環境健康リスク管理の枠組み」の表紙に記載されている6角形の要素の中心におかれているものは「利害関係者の関与」です。このためには利害関係者の間で情報を共有し、問題となるリスクをそれぞれが理解することが必要です。そこで、コミュニケーション活動の一環として発行してまいりましたリスクセンター四季報を、大幅にリニューアルし、電子媒体のインフォメーション広場「りすく村Meiのひろば」として 再出発したいと思います。ヒト (Man)、環境 (Environment)、そして個(Identity)のそれぞれが安心できる社会を願ってその頭文字をとりました。この試みが少しでも利害関係者のリスクコミュニケーションの一助となれば幸いです。

「山の風景」イメージ挿絵