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研究プログラム

「化学物質評価・管理イノベーション」研究プログラム

 近年、化学物質の管理に化学物質の生物に対する影響評価の視点が盛り込まれ「化学物質審査規制法」(平成21年改正)におけるリスク評価に基づく規制、水生生物保全のための水質環境基準の設定、農薬登録保留基準値の設定などの形で具体化されています。しかしリスク評価における生態系保全の考え方が必ずしも十分に確立されておらず、評価手法の重点的な開発が必要です。また、ナノマテリアルの人の健康や生態系に対する影響に関しては、従来のハザード評価手法では評価できない可能性が指摘されています。 そこで、これらの課題に対応するために、1.化学物質等の生態リスク評価・管理手法に関する研究、2.ナノマテリアルの毒性評価手法の開発と安全性に関する研究、さらに環境リスクの適切な管理法を導出する理論的枠組みを提示する、3.化学物質リスク管理の戦略的アプローチに関する研究の3つのプロジェクトを実施します。

プロジェクト1:PJ1

化学物質等の生態リスク評価・管理手法に関する研究


 化学物質の生態系への悪影響を、生物の個体群が絶滅するリスクや生態系の機能が低下する可能性として評価する方法を研究します。実験生物を使った毒性試験から、生態系保全に関して何が推測できるかを生態学的に明らかにし、環境汚染の生態系への影響を正しく評価するために必要な生態影響試験法とデータ解析方法を考案します。さらに、内分泌かく乱物質などのリスク評価が難しい化学物質の生態リスクを生物個体群レベルの影響として捉える解析方法を開発します。また、環境施策の推進に必要なリスク評価への貢献を目指して、化学物質の生態影響を評価するための生態系モデルを構築し、これに基づく新たな生態リスク評価手法を開発します。

「PJ1:化学物質等の生態リスク評価・管理手法に関する研究」図


プロジェクト2:PJ2

ナノマテリアルの毒性評価手法の開発と安全性に関する研究


 カーボンナノチューブや銀ナノ粒子のヒトの体内や環境指標生物における挙動を明らかにするとともに、これらの物質の毒性に関する実験的研究を進め、ナノマテリアルの物理化学的性状がヒト健康ならびに生態に及ぼす影響を明らかにする研究を進めます。特に、ナノ粒子の形状、分散性や表面電荷に着目したナノマテリアルの試験方法を確立することにより、UNEP、OECD、ISO 等の国際機関の動向を踏まえつつ、ナノ構造を持つ物質の安全性評価の国際的なガイドラインの策定に貢献することを目指しています。また、本プロジェクトの研究成果を活用し、粒子状物質や試験困難物質の新しい考え方に基づくリスク評価手法を提示していきます。

「PJ2:ナノマテリアルの毒性評価手法の開発と安全性に関する研究」図


プロジェクト3:PJ3

化学物質リスク管理の戦略的アプローチに関する研究


 化学物質にはたくさんの種類があり、またそれぞれの物質の持つ影響や特性が異なります。本プロジェクトでは、多種多様な化学物質等によるリスクを管理する戦略的アプローチについての研究を行います。具体的には、農薬類の時空間変動を再現するための予測モデルや全球多媒体のPOPs予測モデルの開発を進め、物質の製造から廃棄に至る物質ライフサイクル上の排出・曝露シナリオ構築について研究します。また、様々な化学物質毎に異なるリスク要因を、社会においてどう管理すべきか、その戦略について考察します。これらの検討をまとめて、化学物質リスク管理をより合理的に進めるための評価と管理の手法や考え方を示します。

「PJ3:化学物質リスク管理の戦略的アプローチに関する研究」図

第2期中期計画

環境リスク研究プログラム(2006〜2010年度) >>>  環境リスク研究プログラム(第2期中期計画)