1989年から世界の国々が約束したモントリオール議定書(ぎていしょ)により、オゾン層を破壊(はかい)するフロン類を作らない・使用しないなど、オゾン層を守るための取り組みが行われてきました。
そして成層圏(せいそうけん)中の塩素原子(えんそげんし)は、20世紀末に最大になった後は緩(ゆる)やかに減少(げんしょう)し、
その結果、オゾン層は約半世紀かけて回復(かいふく)すると考えられています。
しかしながら、安心はできません。それはまだオゾン層の回復を完全に確認(かくにん)するには至(いた)っていないからです。
オゾン層の破壊の拡大(かくだい)は止まったのか、オゾン層は将来(しょうらい)どうなるのか、オゾン層の破壊(はかい)が人の健康や生態系(せいたいけい)にどんな影響をおよぼすのか、
オゾン層を確実(かくじつ)に回復させるにはいかなる取り組みを行えばよいのかといった問題を解決(かいけつ)するために、これからもオゾン層の観測(かんそく)や研究を続けていく必要があります。
また、オゾン層破壊(はかい)物質であるフロンは、現在(げんざい)は生産が全廃(ぜんぱい)されていますが、過去(かこ)に作られた冷凍(れいとう)・冷蔵庫(れいぞうこ)、エアコン、カーエアコン等にはフロンが入ったままです。
したがって、今後は、古くて使えなくなった車や機器(きき)に入っているフロンを大気中に放出(ほうしゅつ)させず、確実(かくじつ)に回収(かいしゅう)し破壊(はかい)することが大きな課題(かだい)となっています。日本では、フロンを大気中にみだりに放出することを禁止(きんし)するとともに、フロンが入った機器の廃棄処分(はいきしょぶん)の時にきちんと回収することやフロンの破壊処理(しょり)を行うことを義務(ぎむ)づけた法律(ほうりつ)(家電(かでん)リサイクル法・フロン回収破壊(はかい)法)が作られています。
また、「オゾン層保護(ほご)のためのウィーン条約(じょうやく)」や「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」を国内で適切に施行(せこう)することを目的として「オゾン層保護法」が1988年に制定(せいてい)されています。
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