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Q&A
地球の温暖化へもどる
ジャンルキャラクター Q5)「ヒートアイランド現象」とは、どんなことですか?
 地球温暖化(ちきゅうおんだんか)とは直接の関係はないのですが、ヒートアイランド現象(げんしょう)によって、日本の大都市の年平均気温は上昇(じょうしょう)したといわれています。特に、東京、福岡ではこの100年で平均気温が2.5℃以上上昇しています。(気象庁「20世紀の日本の気候」2002年より)
 「ヒート」とは「熱」、「アイランド」とは「島」のことです。つなげると「熱の島」になりますが、決して南の島のことをさすのではありません。「ヒートアイランド現象(げんしょう)」とは、ある限られた地域(ちいき)の気温がまわりとくらべて高くなることを、島にたとえて説明していることばです。
 大都会には、ビルや家がびっしりと立ち並び、たくさんの自動車が走っています。これらは、夏になるとみんなクーラーをつけて、室内を冷やします。
 クーラーは室内の熱をうばいますが、その熱を外へはき出しています。つまりエネルギーを使うことによって、熱と二酸化炭素(にさんかたんそ)の両方が出ます。人間の活動は、地球温暖化と「ヒートアイランド」の両方の共通の原因(げんいん)になっているといえるでしょう。また、大都会は、緑が少なくて、コンクリートやアスファルトだらけです。コンクリートやアスファルトは太陽からの熱をためこんで、夜になるとその熱をはき出します。樹木や草など植物におおわれた地面は、水分の蒸発(じょうはつ)により気温が下がりますが、アスファルトなどは熱が閉じこめられて、水分が地面から蒸発しにくくなっています。その結果(けっか) 、大都市では、まわりとくらべて平均気温が高くなっています。そして、このような都会に見られる温暖化現象を「ヒートアイランド」と呼んでいるのです。たとえば、東京の都心ではまわりの地域とくらべて年平均気温が2.5℃高くなっているそうです。この「ヒートアイランド」によって、都会の中に残された自然(しぜん)の生き物のくらしが悪い影響(えいきょう)を受けたり、都会に暮らす人々が夏の暑さによって健康をそこねたりすることも問題となっています。
  ヒートアイランド雲画像
東京の環状八号線では、ほぼ道路の真上に帯のような「ヒートアイランド雲」(もしくは「環八雲」)が発生します。この場所に雲ができるのは、相模湾と東京湾の両方の海からの海風がこのあたりでぶつかるために起こる現象です。
 
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