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Q&A
自動車による大気汚染へもどる
ジャンルキャラクター Q6)越境大気汚染って、どんな汚染ですか?
 空気には国境の壁などありませんから、ある国で大気汚染物質(おせんぶっしつ)をたくさん出すと、まわりの国にも運ばれていって、そこで悪影響(あくえいきょう)をおよぼすことがあります。これが越境大気汚染です。

 ヨーロッパではフランスやドイツの工業地帯で出た大気汚染物質が遠くスウェーデンやノルウェーなどの北欧まで運ばれていって雨に溶(と)けて降(ふ)り、湖が酸性化(さんせいか)して魚がいなくなってしまうというようなことが起こりました。北アメリカでもアメリカ東部の工業地帯からカナダに流れていった大気汚染物質が両国の外交問題にまでなりました。 日本は海に囲まれているため、これまであまり外国から空を通って運ばれてくる大気汚染物質のことは問題になりませんでしたが、近年中国における工業化がめざましく、そこで放出(ほうしゅつ)される大気汚染物質が風に乗って日本にまで運ばれてくることがわかり、日本の環境(かんきょう)にも大きな影響をおよぼしている可能性のあることがわかってきました。

 しかし、外国にまで運ばれていくほどの大気汚染物質で一番影響を受けているのは、地元の人たちですから、このような問題には科学的な裏付けのあるデータに基づいて、協力して解決(かいけつ)を目指すことが重要(じゅうよう)です。

 国立環境研究所では日本とアジア大陸の間の海の上や、中国と共同で中国の上空で飛行機を使った大気汚染の観測を行っています。
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