外来種(がいらいしゅ)・移入種(いにゅうしゅ)・侵入種(しんにゅうしゅ)

 外来生物に関する言葉には、その定義がわずらわしいものが少なくありません。
 まず外来種とは、意図的(いとてき)、非意図的にかかわらず、人為的(じんいてき)に移動させられた種(亜種、地域個体群なども含む)をさします。 少し前までは、この外来種と同じ意味で移入種という言葉が使われていました。ところが生態学で移入種というと、自発的に移動した種まで含んだ意味になります。そのため、人為的に移動させられた外来種と同じ意味で使うのはおかしいという判断で、最近はあまり使われなくなっています。

 外来種の中で、新しい地域に導入(どうにゅう)もしくは散らばった場合に生物多様性を脅(おびや)かすと考えられる種は侵略的(しんりゃくてき)外来種(=侵入種、Invasive Alien Species)と呼ばれています。 ちなみに、生態学的(せいたいがくてき)にいうと、たとえば沖縄から本州に生物が持ち込まれれば、それは外来種であり、さらに侵入種となる可能性が高くなります。しかし、「外来生物法」という法律上では、移動の境界(きょうかい)は国境だけなので、国内を移動した生物は外来生物とは呼びません。