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sp sp 「環境ナノテクノロジー」プロジェクトは、正式には「ナノテクノロジーを活用した環境技術開発推進事業」といいます。独立行政法人国立環境研究所が、環境省からの委託を受けて平成15年度から始まりました。現在では、民間企業・国の研究機関・各大学の研究機関が協力し合う産官学連携体制のもと、7つの課題についての研究を進めています。 sp sp
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■ 環境ナノテクノロジーとは

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図1.環境の側からのナノテクノロジーへのアプローチ
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sp  さて、「環境ナノテクノロジー」プロジェクトは、どのようにして発足したのでしょうか?その理由となる背景をわかりやすくまとめまたのが図1です。いちばん左側にあるのは、「ナノテクノロジー」という技術の進歩によってつくられる「素材」です。「ナノテクノロジー」とは、ナノメータ(10-9 m)の単位の大きさ・・すなわち原子(10-10m)を数10個から数100個集めたくらいの、肉眼では見ることのできない世界における技術の総称であり、この技術の進歩によって、原子レベルで構造を組み立てたり、その様子を観察したりすることができるようになりました。このような技術が基礎となって今日の「ナノテクノロジー」が形成されており、「ナノテク」があらゆる分野で注目されるようになったのです。

 では、ナノテクノロジーの進歩によって何が可能になるのでしょうか?なぜ「ナノテク」という言葉があちらこちらで聞かれるようになったのでしょうか?ナノテクノロジーが技術として目標とするもの、貢献できる分野は多岐にわたり、私たちの日常生活にも深く関与しています。重要なポイントは、ナノメータ単位の世界でモノを調べたり操作できるようになったことで、ある物質に新しい性質を持たせたり、まったく新しい物質を創ることが可能になった、ということなのです。

 これは、われわれ環境科学に携わる研究者にとって、とても大きな意味があります。装置の小型化・省電力化や、希望する物質を分子レベルで設計することなどが可能になるからです。このようなことは、これまでの技術レベルでは実現困難な課題でしたが、ナノテクノロジーによって実現できる可能性が見いだされ、その結果として、われわれの夢がかなうのではないかと思いはじめたのです。われわれの夢、環境科学の側からみた「やりたいこと」を「環境ニーズ」という概念でまとめたのが図1の右側です。

 「環境ナノテクノロジー」プロジェクトは、この「環境ニーズ」の視点に立ったナノテクノロジー利用プロジェクトとして発足しました。まず「課題」を設定し、その課題に必要となる機能や特性を調査し、それらに対応できるナノテクノロジー・材料を探すという方向性でそれぞれのプロジェクト内容が策定されています。


■ 環境ニーズ

環境の認識と参加
 環境ニーズとしては、まず、「環境の認識と参加」があげられます。これは、身の回りの環境をよく知り、その上で、環境問題に積極的に取り組もうという意識が起こるようにしたいということです。
近代の自然科学によって、私たちは自然界のいろいろなことを知ることができました。同時に、私たち人間の活動が自然界のしくみとバランスに大きな影響を及ぼしていることもわかり、近年では環境問題としてメディアに大きく取り上げられるようになりました。環境は、私たちひとりひとりに密接にかかわっています。環境問題は研究者だけで解決できるものではありません。「環境って何だろう?」「環境問題って何だろう?」という疑問からスタートし、環境問題に対する意識や取り組みを広く一般に普及させることが、われわれの第一のニーズなのです。


環境の管理
 環境問題の主な根源は人工的につくられた物質が持つ「有害性」です。この物質の有害性・・・なぜ有害なのか、どのようメカニズムで環境を悪化させているのかをしっかりと把握し、その有害性が増大しないようにするため、悪影響を最小限に抑えるにはどうしたらよいかという指針を与えるものです。
従来の方法で物質の有害性を把握するには、莫大な時間と労力が必要でした。ナノテクノロジーを活用することで、たとえば有害物質を含んだ製品が市場に出回ることを防ぐことが可能となります。また、有害性の及ぼす悪影響のメカニズムを解明する時間が短縮されれば、その有害性の拡大をできるだけ防ぐことも可能になるのです。


環境の改善
 読んで字のごとく、汚染された状況を、できるだけもとに戻すように努力するということです。
環境を汚染する物質を効果的に取り除くことができるような膜をつくることや、汚染物質を餌にする微生物の発見などが具体的な課題ですが、これらもやはり、ナノテクノロジーを使うことで、研究にかかる時間が大幅に短縮されることが期待されています。

 さて、これら三つのニーズを標語的に表すと、「見逃さない」「あわてない」「放置しない」ということになります。環境問題は、経済や法制度、文化や科学技術などあらゆる分野にかかわっており、問題解決のためにはそれぞれの側面からのアプローチが相乗効果を生み出すような取り組みが大変重要ですが、そのバランスが崩れてしまうと、問題を見逃したり、対応にあわててしまったり、問題がそのまま放置される、といった事態を招く危険性があります。「環境ナノテクノロジー」による新しいツールと、それによってもたらされる科学的な根拠をもとに、より一層効果的な環境問題への取り組みが可能になるように・・・環境ニーズの根底にあるのは、そんなわれわれの願いなのです。
 また、環境ニーズはこれら三つだけではありません。われわれ人間は、生活環境として、安全な社会に安心して快適に生活することを望み、さまざまな工夫をこらしてきましたが、その実現には多くのエネルギーが必要でした。主なエネルギー源として使われてきた化石燃料はいつかは枯渇してしまいます。世界的な人口増加や生活レベルの向上にともない、今後必要となるエネルギーはますます増えてゆき、エネルギー問題の解決は現代における最重要課題です。また同時に、ナノテクノロジーという新技術そのものの安全性を判断することもひとつの環境ニーズです。国立環境研究所では、「環境ナノテクノロジー」とは別の事業プログラムとして、この二つのニーズに対応するテーマの研究も開始しています。
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