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2008年12月29日

シベリアからオゾン-森林火災で流入 越境汚染も

毎日新聞 2008年12月29日 朝刊記事

 シベリアの森林火災によって、光化学スモッグの原因となるオゾンの濃度が日本でたびたび上昇していたことが、国立環境研究所(茨城県つくば市)の分析で分かった。地球温暖化の影響で大気が乾燥し、米アラスカ州やシベリアなど北方での森林火災が拡大すると懸念されており、今後シベリアからの越境汚染が問題になる恐れがある。日本気象学会誌に発表した。

シベリアで多発している森林火災の衛星画像

 同研究所の谷本浩志主任研究員(大気化学)は1998年から、北海道利尻島に設置した観測所で、オゾンのほか、森林火災で増える一酸化炭素の濃度を観測してきた。

 その結果、04年末までの7年間に、森林火災で発生したオゾンを含んだ大気が利尻島に流れ込んだケースが16回確認された。シベリアから流れ込む様子は、人工衛星の画像データでも確認できた。

 また、03年4月と同年5月に各1回あった森林火災では、平均50ppb(1ppbは10億分の1)だったオゾン濃度が40~60%増え、国内の環境基準の60ppbを一時的に上回っていた。

 国連食糧農業機関(FAO)によると、ロシアでは森林火災によって、新潟県の面積に匹敵する年約127万ヘクタールの森林が焼失し、大半は火の不始末など人間の活動が原因だという。

 谷本さんは「中国の急激な経済成長で日本列島へのオゾン流入が増えているが、北海道や東北地方では特に、シベリアの森林火災の影響を監視する必要がある。」と話している。

(毎日新聞社:田中泰義氏)

担当研究者コメント

 気候変化に伴ってシベリアを含む北方森林の火災は今後増えるかもしれず、そうなれば日本にとっては新たな形での越境大気汚染の原因になる可能性があります。森林火災はモデルによる再現や予測が難しいため、今後も観測が重要になります。

(アジア自然共生研究グループ 広域大気モデリング研究室 主任研究員 谷本浩志)

画像:毎日新聞記事
この記事の掲載は毎日新聞社の承諾を得たものです。毎日新聞社に無断の転載はできませんのでご注意下さい。

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