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本環境標準試料は、アオコ(藍藻の異常増殖による水の華)を形成する主な藍藻Microcystis中の有毒物質ミクロシスチンおよび組成元素を対象としており、アオコに含まれるミクロシスチンの化学分析や藻類の化学組成分析を行う際の精度管理や分析機器の校正に使われることを目的として、研究開発された環境標準物質である。 1.原料および作製法 本標準試料の原料は、(独)国立環境研究所内の藻類培養管理施設において藍藻Microcystis aeruginosaの2株をもとに純粋培養し、それを凍結乾燥したものである。63μmの篩分操作によって微粉化した乾燥藻体(約40g)を均質処理し、酸洗浄・滅菌処理をした褐色ビン(636本)に54mgずつ詰めた。そのビンごと真空乾燥後、不活性ガス(Ar)を充填し、乾燥剤入りのアルミパックに密封した。 2.均質性 無作為に抽出した5本の試料ビンを対象として均質性試験を行った。藍藻中の主要成分であるCa, Fe, K, Mg, Mn, Naについて、酸分解後、プラズマ発光分析法により定量した。ミクロシスチンについては、溶媒抽出後、酸化分解し、生成したMMPB(3-methoxy-2-methyl-4-phenyl-butylic acid)をHPLC質量分析法で測定した。分析値を分散分析した結果、いずれも相対標準偏差は4%以下であり、ビン間のばらつきは認証値の不確かさの範囲内にあった。本試料は標準試料として十分に均質であると判断された。 3.認証値および参考値 報告された14機関の測定結果について、ロバスト法でzスコアが2以上のものは棄却した。認証値は、ミクロシスチン及びCa, Fe, K, Mg, Mn, Na, Sr, Znを対象とし、ISO GUIDE 35に則して決定された。認証値に付けた不確かさは、包含係数 k =2の拡張不確かさであり、約95%の信頼区間を示す。S, P, Co, Cu, Ni, Pbに参考値を付した。 表1−1 認証値
ミクロシスチンの分析方法は、環境省の要調査項目等調査マニュアル(2003年3月)に従った。試料を酸化分解後、生成したMMPBをHPLC質量分析法、及びMMPBをメチルエステル化しガスクロマトグラフ質量分析法で測定した。 表1−2 認証値
分析方法*1
表2 参考値
4.保管および分析上の注意 1. 認証値及び参考値はすべて真空乾燥基準の含有量である。試料の性質上、加熱乾燥できないため、吸湿には十分な注意を払うこと。 2. 本標準試料は有毒物質を含むため、微粉末を吸引したり、皮膚に付いたり、目に入ったりしないように注意すること。 3. 試料の採取などにおいて汚染しないように注意すること。 4. 分析に供する量は、最低10mg以上を使用することが望ましい。 5. 本標準試料は吸湿性があるので、開封後、できるだけ速やかに使い切ることが望ましい。やむを得ず保存する場合は、残量の入った配布容器を密栓し、デシケータ中で室温保存すること。長期保存した試料を分析に供する場合は、使用直前に改めて真空乾燥処理することが望ましい。 6. 研究目的以外で使用しないこと。試料の廃棄の際は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を遵守すること。 5.有効期限 本標準試料の認証値の有効期限は、上記条件が守られることを前提として、2022年8月とする。有効期限内に含有量の変化が認められた成分については、 国立環境研究所ホームページ等を通じて案内する。 6.分析協力機関 本標準試料の認証値・参考値は、以下の協力機関からの分析値を基に決定された。 (独)国立環境研究所、東北大学大学院、奈良県保健環境研究センター、(財)環境科学技術研究所、東北ニュークリア(株)、(株)環境管理センター、(株)環境研究センター、(株)島津テクノリサーチ、(株)住化分析センター、(株)地球科学研究所、内藤環境管理(株)、(財)日本分析センター、中国国家分析測試中心、中国原子能科学研究院 7.参考文献
付 録
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