|
|

本環境標準試料(CRM)は、茶葉中の多元素分析を行う際の分析値の精度管理や分析機器の校正に使われることを目的として、独立行政法人国立環境研究所(NIES)において研究開発されたNIES CRM No. 7 茶葉(Tea Leaves)の後継標準物質である。
1.認証値と参考値
本標準物質の認証値及び参考値は、12機関(16ラボ)から報告された分析値を用いて統計的に決定された。決定された特性値のうち、以下の基準を満たす値を認証値(表1)とした:1)特性値決定に使用された分析値を用いて算出された相対標準偏差が5 %以下;2)特性値決定に使用された分析値の数が8以上;3)特性値決定に使用された分析法の種類が2以上。認証値に付けた不確かさは包含係数k=2の拡張不確かさであり、95 %の信頼区間に相当する。参考値(表2)は、(独)国立環境研究所の認証値の基準を満たさなかったため、認証値としては取り扱わないが、認証値と同様に本標準物質の特性を表した値である。認証値及び参考値はすべて乾燥重量当たりの値である。
2.形状等
本標準物質は、褐色瓶に詰め、Co-60照射(2.5 Mrad)により減菌処理を施した茶葉粉末(35 g)である。
3.保管及び使用上の注意事項
- 本物質は配布時の瓶のままデシケーター内で室温(30 ℃以下)保存すること。開封後も同様の条件下で保存すること。
-
本物質は分取前に瓶ごと軽く振って混和させること。
-
本物質の1分析あたりの推奨使用量は少なくとも0.1 gとする。
-
本物質を吸い込まないよう取り扱いに注意すること。
-
本物質を研究目的以外に使用しないこと。物質の廃棄の際は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を遵守すること。
-
本物質の認証値及び参考値はすべて乾燥重量あたりで決定されている。定量の際には、成分分析用試料を分取した瓶から水分含量測定用試料を分取し、85 ℃で4時間乾燥して水分含量補正を行う必要がある。なお、NIESにおいて測定した水分含量は2-4 %であった。この値は保存期間及び環境により変動するので、必ず毎分析時に上述の方法で水分含量を測定し補正すること。
-
本標準物質は、認証値や参考値を持つ成分以外に、Cを50 %、Nを5.1 %、Feを98 mg/kg、Rbを17 mg/kg含んでいるので、分析時に留意すること。
4. 有効期限
本標準物質の認証値の有効期限は、上記保管条件が守られることを前提として、2019年7月とする。有効期限内に元素濃度の変化が認められた場合は、(独)国立環境研究所ホームページ等において公表する。
5. 分析協力機関
本標準物質の認証値及び参考値は、次の12機関の分析値をもとに決定された。 (独)国立環境研究所、グリーンブルー(株)、(株)島津テクノリサーチ、住友金属鉱山(株)、(株)地球科学研究所、中央大学、東京都市大学、(国)名古屋工業大学、(株)ニッテクリサーチ、(財)日本環境衛生センター、(財)日本分析センター、ムラタ計測器サービス(株)
表1 NIES CRM No. 23 Tea Leaves IIの認証値
| 元素 |
単位 |
質量分率 |
分析方法 |
| Mg | % |
0.169 |
± |
0.012 |
ICP-AES, ICP-MS, INAA |
| P |
% |
0.472 |
± |
0.032 |
ICP-AES, ICP-MS |
| K |
% |
2.03 |
± |
0.11 |
AAS, ICP-AES, ICP-MS, INAA, XRF |
| Ca |
% |
0.249 |
± |
0.021 |
ICP-AES, ICP-MS, INAA, XRF |
| Mn |
mg/kg |
704 |
± |
52 |
ICP-AES, ICP-MS, INAA |
| Ni |
mg/kg |
7.89 |
± |
0.57 |
HR-ICP-MS, ICP-AES, ICP-MS |
| Cu |
mg/kg |
9.48 |
± |
0.76 |
HR-ICP-MS, ICP-AES, ICP-MS, XRF |
| Zn |
mg/kg |
31.9 |
± |
2.2 |
ICP-AES, ICP-MS, INAA |
| Sr |
mg/kg |
3.93 |
± |
0.25 |
HR-ICP-MS, ICP-AES, ICP-MS |
AAS, 原子吸光分析法; HR-ICP-MS, 高分解能誘導結合プラズマ質量分析法; ICP-AES, 誘導結合プラズマ発光分光分析法; ICP-MS, 誘導結合プラズマ質量分析法; INAA, 機器中性子放射化分析法; XRF, 蛍光X線分析法。 認証値に付けた不確かさは包含係数k=2の拡張不確かさであり、95 %の信頼区間に相当する。 認証値はすべて乾燥重量当たりの値である。
表2 NIES CRM No. 23 Tea Leaves IIの参考値
| 元素 |
単位 |
質量分率 |
分析方法 |
| S | % |
0.266 |
ICP-AES |
| Na |
mg/kg |
21.6 |
AAS, ICP-AES, ICP-MS, INAA |
| Al |
mg/kg |
540 |
ICP-AES, INAA |
| Cs |
mg/kg |
0.0932 |
ICP-MS, INAA |
| Ba |
mg/kg |
5.43 |
HR-ICP-MS, ICP-AES, ICP-MS |
AAS, 原子吸光分析法; HR-ICP-MS, 高分解能誘導結合プラズマ質量分析法; ICP-AES, 誘導結合プラズマ発光分光分析法; ICP-MS, 誘導結合プラズマ質量分析法; INAA, 機器中性子放射化分析法; XRF, 蛍光X線分析法。 参考値はすべて乾燥重量当たりの値である。
6.参考文献
| 1 |
Characterization of NIES CRM No.23 Tea Leaves II for the determination of multielements |
| Anal. Bioanal. Chem., 397:463-470 (2010) |
| Ikuko Mori, Miyuki Ukachi, Kimiyo Nagano, Hiroyasu Ito, Jun Yoshinaga, Masataka Nishikawa |
このページの先頭へ |
|