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耳石標準試料は、魚耳石、貝殻などの主成分である炭酸カルシウム中の元素分析の精度管理に利用されるべく作製された環境標準試料である。

本標準試料は1ビン約3gの耳石粉末を分注したもので国立環境研究所より調製販売されている。


1.原料および作製法

本標準試料は西オーストラリアの北西沿岸で捕れたセンネンダイ(Lutjanus sebae)から採取した耳石(1.4kg)を原料として用いた。  耳石は、蒸留水で洗浄後、乾燥させ粉砕し、105μmのナイロンふるいを通った部分を均一化した。


2.均一性

本標準試料の均一性はランダムに5ビンを選び各ビンから約100mgをサブサンプリングして、酸分解後、誘導結合プラズマ発光法(ICP-AES)、原子吸光法、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)により元素含有量を測定し、得られた。  ビン内およびビン間のばらつきは、有意でなかった。


3.保存性

本標準試料の保存性は厳密には評価されていないが、取り扱い法にあげた適切な状況では、安定であると想定される。  国立環境研究所では、今後本標準試料の保存性を追跡調査していく。


4.保証値および参考値

国立環境研究所と他5試験研究機関との共同分析により、Na、Mg、K、Ca、Sr、Baの保証値が決定された。  表に示すとおりである。  共同研究機関の有効値の平均を、保証値とした。  保証値の範囲は各分析値の平均値の95%信頼限界を含む範囲として決定される。

参考値はCu、Zn、Cd、Pbについて与えられている。  これらは、同位体希釈ICP-MASを含む2種の独立した分析法で測定した値を基にしている。  参考値は、国立環境研究所にて得られた値を基にしたものであり、分析誤差を含む可能性がある。

保証値および参考値は乾燥重量を基に表されている。よって、分析値は試料の水分含量を測定し補正する必要がある。  乾燥の方法については、取り扱い法を参照のこと。

保証値および参考値

保証値 参考値
元 素 含有量 分析方法*1 元 素 含有量
Na 0.223±0.010(%) ICP,AAS,FES,INAA Cu 0.74(mg/kg)
Mg 21±1(mg/kg) ICP,AAS,ICP-HRMS Zn 0.47(mg/kg)
K 282±8(mg/kg) ICP,AAS,FES,INAA Cd 0.0028(mg/kg)
Ca 38.8±0.5(%) ICP,AAS,INAA,ID-ICP-MS Pb 0.023(mg/kg)
Sr 0.236±0.005(%) ICP,AAS,INAA,ID-ICP-MS - -
Ba 2.89±0.08(mg/kg) INAA,ICP-MS,ID-ICP-MS - -

分析方法*1

ICP: 誘導結合プラズマ発光分析法
AAS: 原子吸光法
INAA 中性子放射化分析法
FES: 炎光光度分析法
ICP-MS: 誘導結合プラズマ質量分析法
ID-ICP-MS: 同位体希釈ICP-MS
ICP-HRMS 高解像度ICP-MS

5.取り扱い法

(1)保存

ビンはきちんと栓をして清浄、乾燥状態、室温にて保管のこと。 デシケータ内保存が望ましい。

(2)使用

均一性を確保するため、計量前にビンを振ること。 栓を開ける前に、細粉が落ち着くまで待つ。 取り扱い時には、試料を吸い込まないように気をつけること。 主成分である炭酸カルシウムの取り扱い上の注意を守ること。

(3)乾燥

本標準試料は保証値測定時、含水量0.2〜0.4%であった。 水分は、保存状態により異なるので分析に先立ち含水量を測定すること。 約500mgの試料を重量の分かっている乾燥させたガラスあるいは金属ビンに量り入れる。  試料の入ったビンを電気オーブンで85℃、4時間加熱する。 その後、ビンをシリカゲル入りデシケータに30分入れて冷やす。 試料入りビンの重さをふたたび測定し、含水量を求める。

(4)サンプル分解

本標準試料の分解は加熱酸分解(濃硝酸など)あるいは室温での希釈酸(1M)による溶解による。 酸溶解法によりサンプル溶液を準備したとき、元素決定に際し、十分に分解されない有機物による干渉の補正が必要な場合もある。 両分解法ともカルシウム元素からの干渉の補正に留意しなけらばならない。分析に際しては最低100mgの試料を使うことをお勧めする。


6.参考文献

1 Determination of copper, zinc, cadmium and lead in a fish otolish certified reference material by isotope dilution inductively coupled plasma mass spectrometry using off-line solvent extraction
J. Anal. At. Spectrom. 14, 1589-1592(1999)
Jun Yoshinaga, Masatoshi Morita, John S. Edmonds
2 Fish otolish reference material for quality assurance of chemical analyses
Mar. Chem., 69: 91-97(2000)
Jun Yoshinaga, Atsuko Nakama, Masatoshi Morita, John S Edmonds
3 Analysis of fish otoliths by electrothermal vaporization inductively coupled plasma mass spectrometry: aspects of precipitating otolith calcium with hydrofluoric acid for trace element determination
Talanta, 65: 1326-1334(2005)
Zikri Arslan
4 The effect of Prestige oil ingestion on the growth and chemical composition of turbot otoliths
Mar. Pollut. Bull., 54: 1732-1741(2007)
B. Morales-Nin, A.J. Geffen, F. Cardona, C. Kruber, F. Saborido-Rey

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