ユーザー別ナビ |

  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

フライアッシュ II

 本環境標準試料は、焼却灰等のダイオキシン類及びダイオキシン様PCB(コプラナーPCB:IUPAC No.81, 77, 126, 169, 123, 118, 105, 114, 167, 156, 157,189)分析の精度管理や分析機器の校正に使われることを目的として、(財)日本環境衛生センター(JESC)の協力により国立環境研究所(NIES)において作製された標準試料である。なお、本試料は環境省が実施した「平成13年度環境測定分析統一精度管理調査」で使用した共通試料と同じものである。

1.原料および作製法

 ストーカ式焼却炉を設置した日本の一般的な都市ごみ焼却場からフライアッシュ(飛灰)を採取した。15 kgの原料を100メッシュ(150 μm)のふるいにかけた後、均質化した。均質化した試料のうち10 kgを酸洗浄した褐色ビン(666本)に15 gずつ詰めた(2001年12月)。本標準試料はISO GUIDE 34に準拠して作製された。

2.均質性

 無作為に抽出した6本を対象としてダイオキシン類及びPCB類を分析した。それらのビン間及びビン内の均質性を評価した結果、有意な誤差は認められなかったので、本試料は標準試料として十分に均質であると判断された。

3.認証値および参考値

 認証値は18機関から報告された測定値を用いISO GUIDE 35に則して決定された。ロバスト法によりzスコアが2以上の測定値は棄却された。その結果、PCDD類及びPCDF類について認証値を得た(表1)。認証値に付けた不確かさは包含係数k=2の拡張不確かさであり、95%の信頼区間に相当する。PCB類の値は、分析値のばらつきが大きかったため、参考値とした(表2)。認証値及び参考値はすべて乾燥重量あたりの値である。
 なお、本試料の化学分析は「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(厚生省告示第192号別表第1)」及び「ダイオキシン類対策特別措置法施行規則第二条第二項第一号の規定に基づき環境大臣が定める方法(環境省告示第80号)」に基づき行われた。

表1 NIES CRM No.24 Fly AshⅡの認証値(PCDD類、PCDF類)

表2 NIES CRM No.24 Fly Ash Ⅱの参考値(PCB類)

4.保管および分析上の注意

  1. 本試料は必ず密栓状態で冷暗所保存すること。開封後も同様の条件下で保存すること。
  2. 本試料はビンごと室温にもどし、ビン内の試料を軽く振って混和させてから分取すること。
  3. 本試料の認証値及び参考値はすべて乾燥重量あたりで決定されている。したがって定量の際には水分含量の測定を行い、補正をする必要がある。水分含量は、成分分析用試料と同じビンから分取した水分含量測定用試料を用い、105℃で2時間乾燥して求める。なおNIESにおいて測定した水分含量は約5%であった。ただし、この値は保存期間及び環境により変動するので、必ず毎分析時に本書で推奨した方法で水分含量を測定して分析値を補正すること
  4. 本試料の推奨使用量は1分析あたり1 g程度である
  5. 本試料を分取する時はプラスチック等有機材料製の器具を使わないこと。
  6. 本試料を吸い込まないよう防塵マスクを着ける等取扱いに注意すること。
  7.  5年にわたる安定性試験の結果、本試料中のPCDD類及びPCDF類の値は認証値の不確かさの範囲内であった。

5.有効期限

 本標準試料の認証値の有効期限は、上記保管条件が守られることを前提として、2022年3月とする。有効期限内に含有量の変化が認められた場合は、 国立環境研究所ホームページ等において通知する。

  • 国立環境研究所ホームページ

6.分析協力機関

 本環境標準試料の認証値及び参考値は、次の18分析参加機関の分析値をもとに決定された。

国立環境研究所、大分県衛生環境研究センター、大阪府公害監視センター(現 大阪府環境農林水産総合研究所)、(株)環境研究センター、(株)環境管理センター分析センター、(株)島津テクノリサーチ、(株)住化分析センター愛媛事業所、岐阜県保健環境研究所、国土環境(株)環境創造研究所(現 いであ株式会社環境創造研究所)、埼玉県環境科学国際センター、(財)日本食品分析センター多摩研究所、(財)日本品質保証機構関西試験センター、千葉県環境研究センター、東京都環境科学研究所、長崎県衛生公害研究所(現 長崎県環境保健研究センター)、長野県衛生公害研究所(現 長野県環境保全研究所)、北海道環境科学研究センター、宮城県保健環境センター

7.作製協力機関

 財団法人日本環境衛生センター