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(別表5) 知的研究基盤の整備

1.環境標準試料及び分析用標準物質の作製、並びに環境試料の長期保存(スペシメンバンキング)

化学物質モニタリングの精度管理に資するために、社会的に要請の多い種類の環境標準試料の作製を行う。平成21年度は、(1)前年度に対象成分含有量の確定を行った茶葉中に関しては標準物質登録(COMAR基準)、(2)前年度に調整した淡水産植物ホテイアオイの対象成分含有量の確定、(3)海産二枚貝ホタテを候補として環境標準試料を調整することを目標とする。また、保存試料の安定性試験など品質管理にも継続して取り組む。

環境試料の長期保存については、所内外の長期環境モニタリング事業と連携を図りながら事業の展開を図る。平成21年度は、前年度に引き続きPOPs、PFOS等の化学物質を中心とした試料分析と関連データの収集を継続する。また、国内外の長期環境モニタリング事業、環境試料長期保存事業との連携の一環として、前年度のSETAC(Society of Environmental Toxicology and Chemistry)第5回世界会議の試みを継承して今年愛媛大学で開催される国際会議において国際的な研究交流を継続する予定である。

2.環境測定等に関する標準機関(レファレンス・ラボラトリー)としての機能の強化

以下の業務を行うことにより、標準機関(レファレンス・ラボラトリー)としての機能を果たす。

(1)  分析精度管理手法の改善を検討するほか、必要に応じてクロスチェック等の実務的分析比較を行う。また、基盤計測機器による所内の依頼分析サービスの質的レベルを引き続き確保するほか、新たな分析手法に関して研究所内の意向調査を行い、必要とされる機器の導入についての検討を行う。

(2)  微細藻類の分類学的再検討によって得られたDNA配列データをホームページで公開する。

3.環境保全に有用な環境微生物の探索、収集及び保存、試験用生物等の開発及び飼育・栽培のための基本業務体制の整備、並びに絶滅の危機に瀕する野生生物種の細胞・遺伝子保存

環境微生物については、50株程度の収集、保存株情報の整備、20株程度の保存株の凍結保存への移行を行う。微生物以外の試験用水生生物(メダカ、ミジンコ、ユスリカ等)については、対象生物種の健闘を含め効率的な飼育体制を整備し、外部試験機関等への提供を行う。

また、45種類の絶滅の危機に瀕する野生生物の体細胞、生殖細胞及び遺伝子の凍結保存を行うとともに、これら保存細胞等の活用手法の開発を進める。絶滅の危機にある水生植物(藻類)については、淡水産紅藻保存株の凍結保存への移行を行う。

なお、これらの独自に実施する生物資源の収集・保存・提供業務と並行して、生物資源に係わる情報・分類・保存に関する省際的・国際的協力活動を展開し、国内外の生物資源ネットワーク体制を構築する。

4.地球環境の戦略的モニタリングの実施、地球環境データベースの整備、地球環境研究の総合化及び支援(別表3に一部再掲)

地球温暖化に関連する大気・海洋及び陸域環境のモニタリング、成層圏オゾン層、有害紫外線、陸水環境のモニタリング等、国際的な連携の下で先端的な地球環境モニタリング事業を継続実施するとともに、観測データや地球環境研究の成果を国際ネットワーク等から提供されるデータと統合し、様々なレベルに加工・解析し、地球環境に係わる基盤データベースとして整備し、広く提供・発信する。

また、多様なモニタリングプラットフォームやスーパーコンピュータ利用の地球環境研究を支援するとともに、グローバルカーボンプロジェクト、温室効果ガスインベントリ作成、地球温暖化分野に係る地球観測連携拠点等の事業を支援し、研究者の相互理解促進、研究情報・成果の流通、地球環境問題に対する国民的理解向上のための研究成果の普及を目的として、地球環境研究の総合化と中核拠点としての機能を果たす。

5.資源循環・廃棄物処理に関するデータベース等の作成(別表3に再掲)

循環型社会形成推進基本計画の進捗管理のための情報基盤として、廃棄物等の発生側と循環利用の需要側の統計等の情報を収集・整備してデータベースを構築する。また、アジアにおける循環・廃棄物関連データや発生抑制の効果を計測するためのデータ整備のあり方を検討し、データ整備を進める。さらに、資源循環技術に関するデータの収集作業を行う。これまで集積整備してきたデータは積極的に公開等を行う。

6.環境リスクに関するデータベース等の作成(別表3に再掲)
(1)化学物質データベースの構築と提供

化学物質の環境リスクに関するコミュニケーションの推進に向けた基盤整備のため、化学物質の環境リスクに着目した化学物質データベース、農薬データベース、生態毒性データベース、環境測定法データベース等の更新とデータベースの統合を継続する。これらのデータベース及び関連する各種データベースをリレーショナルデータベースとして統合する。法規制などカテゴリーからの検索機能を整理するとともに、さらにわかりやすく内容を表示するようホームページの改良を進める。

(2)生態系評価・管理のための流域詳細情報の整備

生態系の現状把握、これに影響を及ぼすリスク要因の解明及びその総合管理に資するため、生物情報と流域情報を統合したGIS情報基盤を整備する。平成22年度は、豊かな里地・里山、多数のため池を有する兵庫県南西部をモデル流域としてこれまでに整備した水生植物のデータベース及び空中写真等から判別されたアオコ等に基づいて推定した生物多様性が潜在的に高い地域などの自然情報と保護地区や開発予定地域などの社会環境を地図上にオーバーレイ表示できるようし、モデル流域での「生物多様性評価」として一部公開する。

(3)侵入生物データベースの管理

情報の検索機能およびデータマイニングのためのデータ内部構造の改変を行い、データ検索や情報更新を容易に行える構造に変更する。内部コンテンツの見直し、修正、追加、および更新を進める。英文化を進め、GISIN (Global Invasive Species Information Network)への対応も検討する。クワガタムシ、マルハナバチ、カエルツボカビ等の詳細ページも情報更新とレイアウトの刷新を進め、外来アリ類、カワヒバリガイなどの新情報も追加登録する。得られた情報をもとに、外来生物の特性に関するデータ解析を進める。


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