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(別表1) 中核研究プロジェクト

1.地球温暖化研究プログラム

(1)温室効果ガスの長期的濃度変動メカニズムとその地域特性の解明

アジア(シベリアも含む)−オセアニア地域での陸・海・空に展開した広い観測網による温室効果ガス(CO2、CH4、N2O、フッ素系温室効果ガス等々)や関連するトレーサー物質の時空間分布やそれらのフラックスの長期的変動を行い、濃度変動を引き起こすメカニズムやその地域的な特性を検出する。具体的には、

1)  航空機、定期船舶を用いた温室効果ガス観測網を整備する。航空機では定期路線を用いたアジア、ヨーロッパへ航路上の二酸化炭素観測を開始し、オセアニアラインでの大気サンプリングを開始する。民間船舶では日本−オセアニア、日本−北アメリカに加え、アジア路線の準備を行う。
2)  観測網を利用しトレーサーとなり得る酸素や同位体等を長期的に観測することにより、温室効果ガスのグローバルな収支変化と気象との関連を考察する。定点でのフロン等の観測も立ち上げる。
3)  西太平洋における海洋の二酸化炭素分圧観測、アジアやシベリアの陸域生態系におけるプロセス毎の物質移動速度の観測を行う。これにより、平成18年度の収支の変動現象を観測する。

(2)衛星利用による二酸化炭素等の観測と全球炭素収支分布の推定

温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)の取得データから、二酸化炭素・メタン等のカラム濃度の全球分布を高精度に導出するためのデータ処理手法の開発を行う。さらに、衛星観測データと地上で取得される測定データとを併せて地域別炭素フラックスの推定を行うためのインバースモデルについて、推定誤差の低減と時間・空間分解能の向上のためのモデルの改良を図る。具体的には、

1)  短波長赤外波長域での測定に関して、巻雲やエアロゾルの存在する大気条件下での取得データに対応可能なデータ処理手法を研究開発し、数値シミュレーションにより精度評価を行う。
2)  衛星搭載センサーと類似仕様の地上モデルセンサーを用いて、飛翔体または高所からの太陽の地表面反射光を測定する実験を実施し、取得されたデータから二酸化炭素のカラム濃度を導出する。同時に観測時の大気パラメータを直接測定などによって取得し、地上モデルデータからの解析結果と比較して解析精度の検討を行う。
3)  インバースモデルの時間・空間分解能を月別・全球64分割等に向上するため、フォワード計算手法の開発と必要な関連データベースの整備を行う。更に、このフォワードモデルデータと衛星データを利用して全球の炭素収支分布を推定するインバースモデル解析手法のプロトタイプをシミュレーションレベルで確立する。

(3)気候・影響・土地利用モデルの統合による地球温暖化リスクの評価

気候モデル、影響モデル、及び陸域生態・土地利用モデル各々の高度化と、極端現象及び不確実性を考慮した高度利用を行う。また、地球温暖化リスクの総合的な評価を行うための、モデルの統合利用もしくは結合の検討を行う。具体的には、

1)  気候モデルについて、気候変化に伴う極端現象の変化メカニズムの解析を進めるとともに、20世紀中における極端現象の変化傾向のモデルによる再現性を検討する。また、モデルの不確実性と自然変動の不確実性の両方を考慮した確率的予測について検討を行う。
2)  影響モデルについて、極端現象の変化を考慮した水資源・健康・農業影響の評価を行うとともに、気候モデルによる確率的予測と連携して影響評価結果の不確実性を明示的に表現するための手法を検討する。また、水資源影響モデルと気候モデルの結合のための準備作業を行う。
3)  陸域生態・土地利用モデルについて、今後50年スケールでの気候変化に伴う農業生産性の変動と、社会経済の発展シナリオを考慮して、陸域生態・土地利用変化を予測するプロトタイプモデルを開発するとともに、土地被覆情報等のモデル入力情報の整備を行う。

(4)脱温暖化社会の実現に向けたビジョンの構築と対策の統合評価

京都議定書の削減目標達成のための環境政策の評価、2006年から開始される将来枠組みに関する諸制度の分析、脱温暖化社会の構築に向けたビジョン・シナリオの作成を行う。具体的には、

1)  脱温暖化社会を実現するための2050年における我が国の排出レベルとその社会像を描き、温室効果ガス排出構造に影響を及ぼす要素についての定量化を行う。また、他国の脱温暖化シナリオ構築との連携を図り、世界全体の脱温暖化社会について検討する。
2)  炭素市場メカニズム等の各種制度を評価し、問題点の整理を行うとともに、諸制度の動向調査を行い実効性について分析する。また、2013年以降の枠組みについて、特に京都議定書発効が同課題に関する国内政策に与えた影響の調査等を実施する。
3)  我が国を対象とした温暖化対策の費用・効果分析、アジア主要国を対象とした緩和・適応策と各国のミレニアム開発目標の実現可能性の分析、世界のエンドユースモデルを用いた排出削減ポテンシャルの推計を行うとともに、中国、インド、タイ等のアジア主要国を対象として、シナリオ開発のためのモデル開発支援を行う。

2.循環型社会研究プログラム

(1)近未来の資源循環システムと政策・マネジメント手法の設計・評価

社会条件の変化とそれに伴う物質フローの変化に関する定性的な因果関係を整理し、これらの変化を定量的に表現するための手法について検討する。 具体的には、

1)  資源循環型の技術システムを循環資源・廃棄物の種類、空間的特性、技術の原理などによって類型化し、国内外のレビューを行い、評価の対象とする近未来の技術システムの一次的な設計を行う。
2)  国と自治体において各種法制度・政策の下で進められている取組の効果を計測し、国外の諸制度との比較考察などを含めて問題点の整理と評価方法の検討を行う。
3)  資源循環・廃棄物マネジメントを支援するための指標及び勘定体系における現状の課題を整理し、不足している事項について指標の作成や勘定項目の検討を行う。

(2)資源性・有害性をもつ物質の循環管理方策の立案と評価

プラスチック添加剤等を安全性確保の面からレビューし、有用性・有害性をもつ物質群を選定し分析法の検討を行うとともに、製品使用に伴う臭素系難燃剤等の室内及び家電リサイクル施設における挙動、環境排出に関する実態調査を行う。具体的には、

1)  水銀等有害金属については、物質のサブスタンスフロー、リサイクル・廃棄過程を含めた環境排出量の把握に着手する一方、短期的及び中長期的に優先性の高い資源性金属群を選定し、物質フローの整備に着手する。
2)  複合素材中の金属の試験方法を検討し、製品・廃製品中含有量のデータ取得を開始する。
3)  建設資材系再生品の環境安全性評価試験系のレビューと類型化を行い、利用形態と利用環境ごとに安全品質管理に必要な情報を提示し、新規の環境曝露促進試験や特性評価試験の必要性等を抽出する。従来型の特性評価試験についても、高精度化と簡略化を図る。

(3)廃棄物系バイオマスの Win−Win 型資源循環技術の開発

ガス化改質技術用触媒の長時間耐久性試験評価により触媒の高度活用技術開発を進めるほか、バイオフューエル製造技術の高度化等の多様な利用技術開発にも着手する。具体的には、

1)  水素−メタン複合型発酵・脱離液処理システムに関し、対象バイオマスの発生特性等に応じたエネルギー回収効率等の解析・評価を行うとともに、廃液からの高効率リン回収技術・システムの規模要件及び廃液特性等に応じた現状分析を行う。
2)  生ごみからの乳酸発酵残さについて、養鶏等飼料へのカスケード利用における各種条件を整理する。
3)  廃棄物系バイオマス等の賦存量等を把握し、地域条件に応じた技術システムの基本設計と、動脈プロセスへ受け入れるための質転換技術の開発に着手する。

(4)国際資源循環を支える適正管理ネットワークと技術システムの構築

アジア地域における国際資源循環及び関連する国内資源循環の現状について、製品、物質という二つの側面から物質フローの概略を把握するとともに、各国における関連政策及びその評価手法開発のために必要な調査を実施する。具体的には、

1)  アジア地域におけるE-waste(電気電子機器廃棄物)をはじめとする資源循環過程に伴うPOPsや水銀などによる環境汚染の発生状況について、既存の測定分析方法と結果をレビューするとともに、予備調査を実施する。
2)  途上国に適した技術システムの設計開発のため、アジア諸国における廃棄物管理システムについて、現況調査と比較研究による既存技術の最適化因子を抽出する。
3)  埋立地全体からの温室効果ガス排出量観測法については、地表面法などの検討を行う。
4)  バイオ・エコシステムを適用した技術導入に関しては、汚水性状、バイオマス性状、汚濁負荷の質・量特性の調査に基づく地域特性評価を実施する。

3.環境リスク研究プログラム

(1)化学物質曝露に関する複合的要因の総合解析による曝露評価

多数の化学物質や曝露に関する複合的な諸要因を総合的かつ効率的に考慮する曝露評価の確立を目指し、自然的な環境動態と曝露に関する複合的要因を階層的な時空間スケールにおいて総合的に把握するための曝露評価体系を提案する。

具体的には、

1)  地域レベルからPOPs等の地球規模に至る階層的な動態把握と曝露解析のための手法について、これまで開発を進めてきたGIS多媒体モデル、東京湾動態モデル、また既存の種々のモデル等の収集と、種々の空間スケールを統合する階層設計を行い、予備的開発を行う。
2)  多重的な曝露把握のため、変異原性試験や受容体原性毒性試験、生物試験など各種のバイオアッセイ手法の包括的曝露計測への適用手法と、これらと相補的な網羅的分析法に関する開発を行う。
3)  水環境を経由する曝露評価手法に関する検討を東京湾でのフィールド調査等によって行い、また、環境測定データの統計解析等をあわせて曝露評価の総合解析手法に関する検討を行う。

(2)感受性要因に注目した化学物質の健康影響評価

化学物質の高次生命機能(内分泌系、免疫系、神経系等)の撹乱による、生殖、発生、免疫、神経行動、遺伝的安定性等生体恒常性維持機構に及ぼす影響の解明を通して、環境中に存在する化学物質に対する感受性を修飾する生体側の要因を明らかにし、さらに、感受性要因を考慮した化学物質の健康影響評価手法を提案する。具体的には、

1)  低用量の環境化学物質曝露により引き起こされる神経系、免疫系、及びその相互作用における有害性を嗅覚閾値の検出、シナプスでの情報伝達遺伝子の発現について検討する。
2)  胎児、小児、高齢者等感受性の時間的変動の程度を把握し、発達段階に応じた影響解明のため、脳形成におけるアポトーシスの変動、感染低抗性獲得における細菌クリアランスとToll様受容体の発現、甲状腺ホルモン受容体応答の変化に関する検討を行う。また、環境化学物質による脳の発達障害を検索するための神経変性疾患モデル動物の作成を行う。
3)  化学物質曝露に脆弱な集団の高感受性を呈する要因の解明のため、in vivoアトピー性皮膚炎モデルによる化学物質のアレルギー増悪影響の有無を検討する。また、アレルギー増悪影響のより簡易なスクリーニング手法の開発を行う。

(3)環境中におけるナノ粒子等の体内動態と健康影響評価

超微細構造を持つ粒子状物質や環境ナノ粒子の体内挙動と生体影響を調べることにより、既に研究が進んでいる通常の化学物質とは異なる健康影響手法の確立を目指す。具体的には、

1)  ディーゼルエンジン由来環境ナノ粒子曝露装置の安定性やモード走行時に発生するナノ粒子に関する研究において発生する環境ナノ粒子の粒径分布と組成を明らかにする。
2)  環境ナノ粒子の体内動態と生体影響に関する研究において、アイドリングエンジンから発生する環境ナノ粒子や模擬ナノ粒子の肺組織透過性や細胞への内取込み機構を明らかにし、またナノ粒子の酸化能の定量化、環境ナノ粒子が呼吸器の免疫・炎症応答に及ぼす影響、並びに循環機能に及ぼす影響を明らかにする。
3)  ナノ構造をもつ繊維状粒子状物質の吸入曝露装置を開発・作製し、繊維状粒子状物質の曝露方法を基準化する。

(4)生物多様性と生態系機能の視点に基づく環境影響評価手法の開発

自然生態系を対象として、生物多様性消失と生態系機能低下等の評価尺度に応じた段階的な環境リスク要因の影響評価手法を開発する。具体的には、

1)  東京湾において野外調査を実施し、底棲魚介類群集の質的及び量的変化を解析するとともに、それに寄与してきた影響因子を検討する。淡水生態系を対象として、生態系に大きな影響を与えるキーストーン種や生物群集機能群と環境リスク要因との関係を検討する。
2)  外来生物法における未判定外来生物及び要注意外来生物を中心に侵入種候補種の選定を行い、生態学的特性・遺伝的特性・移送量データを収集する。アジア域における節足動物類の進化的重要単位を設定するための基礎情報としてDNA変異を調査する。輸入生物に随伴してくる寄生生物のリストアップを行うとともにサンプル収集を行い、宿主-寄生生物間の共種分化関係をDNA情報により明らかにする。
3)  生態系影響評価手法の基礎になる形質ベース生物群集モデルの基礎的な定式化を完成させ,モデルの仮定の妥当性をモンテカルロシミュレーションなどによって検証する。浸透交雑のリスク予測手法の基礎のために,外来種もしくは遺伝子組み換え生物と在来生物との遺伝的交雑の過程を解析する集団遺伝学モデルを作成し解析する。

4.アジア自然共生研究プログラム

(1)アジアの大気環境評価手法の開発

東アジアを中心としたアジア地域について、国際共同研究による大気環境に関する科学的知見の集積と大気環境管理に必要なツールの確立を目指して、観測とモデルを組み合せ、大気環境評価手法の開発を行う。具体的には、

1)  越境大気汚染の実態を解明するために、沖縄辺戸岬ステーションを整備して多成分・連続観測を実施するとともに、中国等の研究機関と共同して航空機観測を含む集中観測を実施する。中国国内の汚染実態を把握するために、観測計画を作成する。
2)  アジア地域の排出インベントリと大気質モデルを開発し、既存観測データを用いて検証し、広域大気汚染の空間分布、過去四半世紀における大気質の経年変化、越境大気汚染による日本へのインパクトを評価する。アジア地域の気候・大気質変動を評価するために、化学気候モデルの開発に着手する。大気質モデルと観測データを用いて、排出インベントリを検証・修正する手法の開発に着手する。
3)  ライダーを中心とする黄砂のモニタリングネットワークを整備し、観測データベースを設計する。特に本年は、ゴビ砂漠近傍のモンゴル国サインシャンドにおいてJICAとの連携によるモニタリングステーションの完成を目指す。

(2)東アジアの水・物質循環評価システムの開発

長江、黄河を中心とした東アジア地域の流域圏について、国際共同研究による水環境に関する科学的知見の集積と持続的な水環境管理に必要なツールの確立を目指し、観測とモデルを組み合せ、水・物質循環評価システムの開発を行う。具体的には、

1)  広域的な水・物質動態の計測手法による観測を行い、衛星データ、GIS、観測データ等に基づく、東アジア水・物質循環情報データベースの構築を行う。また、長江流域の開発により、河川を通じて流入する汚濁物質等の陸域からの環境負荷の量・質的変化の影響の推定と解析を行う。さらに、気象・地形・土地被覆の条件が互いに影響し合う複雑な過程、相互関係を調査することにより、水・物質循環を評価できる統合型モデルの構築に着手する。
2)  長江流量と栄養塩濃度の季節変動を含むデータを整備し、長江河口沿岸の埋め立て護岸工事に伴う干潟の消失に伴う水質浄化機能の低下を評価するため、河口域の二枚貝の分布及び漁獲量の経年変化、埋め立て面積等のデータ収集を行う。また、初夏の東シナ海陸棚域における航海調査において長江起源水により輸送される栄養塩類の藻類群集による取り込み過程及びその行方に関する検討を行う。さらに、長江から東シナ海における汚濁元素の輸送循環を評価するための水・熱・物質循環及び低次水界生態系モデルの構築に着手する。
3)  拠点都市から流域への汚濁物質フラックスの把握と解析を行い、汚濁負荷インベントリを構築する。また、国環研で受信したMODIS衛星データ等を用いて、流域内における植生変化、水循環に及ぼす影響のアセスメントモデルを構築する。さらに拠点地区において水・物質資源制約とその都市活動と基盤装置の立地条件の検討に立脚する技術・政策インベントリの評価技法の開発に着手する。

(3)流域生態系における環境影響評価手法の開発

東南アジア・日本を中心とした流域生態系における環境影響評価手法の開発を行い、メコン川流域に関連した国際プログラム間のネットワークを構築し、国際共同研究による流域の持続可能な発展に必要な科学的知見を提供する。主にメコン川の淡水魚類相の実態解明、流域の環境動態の解明を行うこと等により、ダム建設等の生態系影響評価を実施する。具体的には、

1)  高解像度土地被覆分類図・湿地機能評価図を作成し流域生態系の自然劣化実態を把握するため、メコン川特定流域の選定を行い既存のデータを収集する。
2)  代表的生物の多様性・生態情報及び気象・水質等の環境データを取得し、流域生態系環境データベースを構築するため現地観測網の整備を行う。
3)  環境影響評価に不可欠な水環境の情報データの取得とモデル化並びに好適生息地評価のための景観生態学的手法や河口域生態系への影響評価手法を開発するため、国内比較対照地において評価技術を開発する。

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