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2005年5月18日掲載 |
| 春になると、マスクをしている人をたくさん見かけるようになります。現在、日本国民の五人に一人がスギ花粉症にかかっているといわれています。 予防するにはどうしたらよいのでしょうか。第一に、スギ花粉への接触をできるだけ減らすことです。スギ花粉症患者の多くはスギと親類関係にあるヒノキ花粉にも反応してアレルギー症状を起こします。したがって、スギだけではなくヒノキのことも考えなければなりません。 森林は生態系保全や地球温暖化防止など重要な機能を持っていますので、森林面積の28%、国土面積の19%を占めるスギやヒノキ林をすべて切り倒すわけにはいきませんし、そのための費用・時間は膨大なものとなり、現実的ではありません。 発生源を絶つもう一つの方法は、スギ・ヒノキから花粉が飛ばないようにすることです。すでに花粉を作らないスギの品種が開発されていますが、膨大な面積のすべてのスギを入れ替えるには数十年から百年単位の時間が必要でしょう。 接触を減らすにはスギ・ヒノキ花粉の少ない場所・時間を選んで行動することや、接触を避ける防護手段をとることも考えられます。 このためには、花粉の飛散状況を迅速に知る必要があります。環境省では花粉自動計測器を関東、中部、関西地域の数十ヵ所に配置して、花粉観測システムを試験運用中です(下図)。 このシステムでは風向・風速と併せて花粉飛散状況をほぼリアルタイムで見ることができます。外出しなければならない時にはマスク等をして花粉への接触を減らすことや、洗濯物や布団干しをどうするかの判断の手助けになります。 発症してしまった人にとって最も期待されるのはワクチンの開発です。もちろん、薬も進歩してアレルギー症状を和らげることができるようになっていますが、症状そのものを出なくするわけではありません。アレルギーワクチンが完成すれば、症状そのものの発現を抑えることができるようになります。 現在、国の関係機関を中心に五年後ぐらいをめどにその開発に取り組んでいます。花粉症患者にとっては安全なワクチンの完成が待ち望まれます。http://kafun.nies.go.jp/ 花粉観測システム
【PM2.5/DEP研究プロジェクト 疫学・曝露評価研究チーム 総合研究官 新田裕史】 |
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